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カテゴリ:読書
<内容> トレーラーの走行中に外れたタイヤは凶器と化し、通りがかりの母子を襲った。タイヤが飛んだ原因は「整備不良」なのか、それとも…。自動車会社、銀行、警察、週刊誌記者、被害者の家族…事故に関わった人それぞれの思惑と苦悩。そして「容疑者」と目された運送会社の社長が、家族・仲間とともにたったひとつの事故の真相に迫る、果てなき試練と格闘の数か月。 実際にありましたね。この事故はよく覚えてますよ。 大きなトラックのタイヤが突然外れて、人めがけてすっ飛んでゆく。 トラックのタイヤって100kg以上あるんだって。 そんなのに突っ込まれたら、ひとたまりもないよね。 なんて不運で気の毒な・・・と多くの人が涙したでしょう やがてそれは、トラック自体の不具合(ハブですよ、みんなも耳にしたでしょう)によるもので、トラックのメーカー(財閥系大企業)は同じような事故がそれ以前にも何十件も起こっていたのにひた隠しにしていた・・・まったくひどい話 そういう実際の事件を描いているので、小説というよりドキュメントという感じ この大手財閥系自動車会社はプライドとエリート意識だけ高く、お客さんなんか見てないの。人が死のうが生きようが関係ない、あるのは常に自分達の利益と保身のみ ほんと、腹立つわ~!! 最初はトラック自体に不具合があるなんて誰も疑わなかった。 “整備不良”ということで、事故を起こした運送会社が疑われて、社長さんは被疑者扱い。人殺し呼ばわり・・・ 取引先からそっぽをむかれ、銀行も融資してくれない。 子供は学校でいじめられる・・・ だけど、この小さな運送会社の社長さんは、今まで真面目に、誠実に仕事してきた自信と誇りがある。 “整備不良”のわけがない。 でも整備不良じゃなきゃなんなのか?社長さんにもわからない 雲をつかむような話だ。 社長の孤立無援の戦いが始まるわけ。 社長さん、がんばるよ~ 従業員とその家族、もちろん自分の家族を守るため。 決してあきらめない。自分でいろいろ調べて、あちこちに働きかけ・・・ こんなどん底の時に、自分を信じて味方になってくれる人 なんてありがたいことか 社長さんの真摯な姿勢、誠実な人柄にすこしずつ協力者も増え・・・ やがて、この巨大企業(自動車会社)の不正を雑誌記者がかぎつけ 自社内にも「俺らの会社なんかヤバイことしてるんじゃ?」と疑問に思う人も出てくる やっと警察も真実に向けて動き出す(遅いよ、警察!) いや~ 読み出したら止まりません 社長さん、がんばれ!がんばれ! 途中何度、涙したことか・・・ 最後は胸のすくような想いですよ。 社長さんの努力が報われた! やったね社長さん! やっぱり、人間は「誠実」が第一です 改めてこの社長さんに教わりました。 そして、正義感とかそんな大それたものじゃなくても、「嘘ついちゃダメ」「悪い事しちゃダメ」ってい言う普通の感覚が大事なんです。 組織が大きくなると、そんな普通の感覚が失われてしまうんでしょうかね~ ちかごろは「偽装」「隠蔽」大流行ですけど 私たちは「あ、また・・・」なんて、慣れちゃいけない 直接何かをすることは出来なくても 被害者・遺族の悲しみ・苦しみ・無念さ・・・をしっかり感じ取り うそつき会社に対しては、大いに憤る そういうことが大事だと思います 事件を風化させてはいけない! こんな事件を再発させないために・・・ 多くの方に読んでほしい本です お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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