東博の浮世絵展示室(5/14~)1:鳥居清広の紅摺絵作品
「上野の
東京国立博物館の本館2階10室の今回の浮世絵展示(
展示作品リスト)は、2024年6月9日(日)までです。
なお、「鈴木春信による多色摺りの錦絵が誕生する以前の浮世絵を初期浮世絵と呼んでいます。今回はその中から、元禄時代(1688~1704)から続く鳥居派の作品を選んで展示します。鳥居派初代清信(1664~1729)や清倍の躍動的描線による力強い作品から、鳥居派三代目の清満(1735~85)らによる優美可憐な作品への変化をお楽しみください。」と、あります。
今回の投稿は、初期浮世絵の鳥居清広の紅摺絵作品をピックアップします。
■ 鳥居清広
鳥居清広(とりいきよひろ)(?~1776)は、はじめは二代目鳥居清倍に学んだともいわれ、鳥居家3代目の
初代鳥居清満(きよみつ)の門人で江戸時代中期の浮世絵師である。
・清広は美人画を得意として、役者絵より美人画に優れ、細身で繊細な美人画を描いて活躍した。
なお、彼は初代鳥居清満門の三羽烏(他は清長、清経)の一人と言われている。
![](https://image.space.rakuten.co.jp/d/strg/ctrl/9/af93d1bf753294dba96c950bc70dc1348e00977c.40.9.9.3.jpeg)
(
拡大)
【参考作品:「東博」:鳥居清広『
新年の駿河町』】
【参考作品:「東博」:鳥居清広『
見立義経八艘飛』】
【参考作品:
慶大メディアセンターDC「
高橋浮世絵コレクション」:鳥居清広『
恋の深爪』】
【参考作品:「
山田書店美術部」:鳥居清広『
投け蹴鞠り』(復刻版)】
【過去の投稿記事:「
2018年3月9日 投稿」:『清長、度繁、清広の「重美」作品』】
【過去の投稿記事:「
2021年9月24日 投稿」:『西村重長、鳥居清広、鳥居清満、石川豊信、および歌川豊国の役者絵』】
【過去の投稿記事:「
2022年3月4日 投稿」:『鳥居派(清信、清満、清広、清経)の作品』】
◆「鳥居清広」:『
二代目坂東彦三郎の蕎麦売り』/細判/紅摺絵
鳥居清広が、二代目
坂東彦三郎(1741~68)演じる蕎麦売りを描いた細判紅摺絵の作品。
・
天秤棒を担いで、蕎麦を売り歩いていて、一息ついている
棒手振(ぼてふり)の姿が描かれている
・「一八そば」と、記されているので、そば一杯が八文の意味だと思われる
![](https://image.space.rakuten.co.jp/d/strg/ctrl/9/76588d700e64287d7808c080422097e38c2e833f.40.9.9.3.jpeg)
(
アップ)
【参考作品:「
ボストン美」:鳥居清広『
江戸名物蕎麦画』(ぢこくでん 瀬川吉次(二代目)、そう長でん 坂東彦三郎(二代目))】
【参考作品:「
千葉市美」:鳥居清広『
ぢかみうり 中村富十郎』】
【
歌舞伎座「
江戸食文化紀行"江戸の美味探訪"」:『
VOL.72 「二八そば」と「二六そば」』】
【参考作品:「
国立国会図書館DC」:歌川国芳『
山海名産尽 信濃蕎麦』】
【参考作品:「
錦絵で楽しむ江戸の名所」:歌川広重『
名所江戸百景 虎の門外あふひ坂』】
【参考作品:「
江戸博」:一筆斎文調『
二八そば』】
◆「鳥居清広」:『
初代市村亀蔵の曽我の十郎』/細判/紅摺絵
鳥居清広が、
初代市村亀蔵(後の市村羽左衛門(9代))(1725~1785)演じる
曽我の十郎を描いた細判紅摺絵の作品。
・曽我兄弟の兄(曽我の十郎)の
曽我祐成(そがすけなり)(1172~1193)が
助六に扮している
・助六が防火水桶の脇で頭に鉢巻を巻き、傘を差している姿で描かれている
![](https://image.space.rakuten.co.jp/d/strg/ctrl/9/553d46723cb9df9ce854bdb2e7740e0dbccdadd4.40.9.9.3.jpeg)
(
アップ)
【「
成田屋」:『
助六』】
【「
ARC浮世絵データベース」:鳥居清広『
曽我の十郎 市村亀蔵』】
【参考作品:「ARC浮世絵データベース」:鳥居清広『
市村亀蔵 家橘』】
【参考作品:「ARC浮世絵データベース」:石川豊信『
曽我の五郎 尾上菊五郎 曽我の十郎 市村亀蔵』】】
【参考作品:DNPアートコミュニケーションズ「
Image Archives」:鳥居清倍(二代)『
「粂の仙人 市村亀蔵 (武成) 尾上菊五郎」』】】
【参考作品:「
千葉市美」:石川豊信『
団扇を持つ美人』】】
【参考作品:「
文化遺産オンライン」:鈴木春信『
明霞名所渡 市むら座・初代市村亀蔵の京の二郎と二代目瀬川菊之丞のミだれがミおせん】】
◆「鳥居清広」:『
初代中村富十郎の笠やさんかつと初代山下又太郎のあかねや半七』/大判/紅摺絵 (
東博)
鳥居清広が、
初代中村富十郎(1731~1786)と、
初代山下又太郎(1712~1762)を描いた大判紅摺絵の作品。
・相合傘(
道行き)の二人の後ろには、鳥よけの鳴子が吊るされている
・右には初代中村富十郎が、左には初代山下又太郎が描かれている
![](https://image.space.rakuten.co.jp/d/strg/ctrl/9/9a63187b48cba2ec38f8539155d3f0524a3ba9d9.40.9.9.3.jpeg)
(
アップ)
【参考作品:「
神奈川県立歴博」:鳥居清広『
中村富十良の石橋』】
【参考作品:「
千葉市美」:鳥居清広『
娘よこぶへ 中村富十良』】
※ 鈴木春信「犬を戯らす母子」/(部分)
![](https://image.space.rakuten.co.jp/d/strg/ctrl/9/d7b6fd70807ff04fe85bd4feaf0cc28832cb09fa.40.9.9.3.jpeg)
(
全体図)(
東博)
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本館 特別2室」(会期:2024年5月14日~6月16日)
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