地方自治体の非常食管理の形。
義母の班が中心となった地域サロンで、新年早々一騒動持ち上がる。 昨年末、新年に芸達者な方々のお披露目をかねて、楽しいひとときを持とう、と サロンで「 新年会 」を計画し、市に申し出たところ、 市から「 新年会 」を寿ぎ、その会へお弁当が支給されることとなり、 義母たちは大層喜び、楽しみにしていた。 私は、市にも町にもそんなお金はないハズなのに、何処から捻り出すのか、興味津々。 年度末に近付いたための予算消化、にしても、 予算項目からして、最初から予算額がなさそう(゚゜)\バキ☆であるし、 第一、市に幾つ、こんなサロンがあることか。 ほんとに不思議。 ところが、息子さんが市の職員であるという事情通のご婦人が、 「 新年会 」の前のサロン会合時に放った言の葉で大混乱となる。 ご婦人曰く、そのお弁当は、 市でストックしていた災害時用のお湯を入れればご飯になるお米でつくられる。 それも期限切れで、もう捨てるしかないものを下げ渡すのだ、と言う。 市としては、毎年莫大な量を捨てるのに困っているそうで、 今回の我々の「 新年会 」は渡りに舟だったのだ、と。 義母たちは驚き、そして怒った。 捨てるものを、年寄りに食べさせて平気なのか。 有難がっていた自分たちはイイ面の皮だ、と。 そして当日、食べるのを拒否したひと。 受け取ったものの、必要以上に警戒し、張り詰めた神経で、気分が悪くなったひと。 人一倍神経質な義母などは、下痢をし、嘔吐感まで生じる始末。 お米は、炊き込みわかめのようなものでの混ぜご飯のおむすび。 おかずは、煮物と卵焼きと煮豆だったらしいが、 疑心暗鬼の義母たちは、そのどれもが賞味期限切れの保存食ではないか、と 考えただけで気分が悪くなってしまったらしい。 憤懣やる方ない様子の義母から話を聞き、思わず天を仰ぐ。 市は、なんというヘマをやらかしたものだろう。 市の担当者としては、皆に美味しく食べて貰った後で、 このお弁当は災害時のための非常食であるという種明かしをし、 皆に非常食の実体験と、災害時のための心構えを説くつもりであったらしい。 実際、昼食の時間が終わった時に、 「 災害時の際、被災者に炊き出しとして使用されるもの 」 であるという説明があったそうである。 但し、賞味期限の過ぎたものなのか、間際であるものなのか、 そうしたことには一切触れられなかったらしい。 昼食時間終了後のこの説明で、 義母たちが市の思惑に沿った反応をする訳がない。 かといって、誰も疑念や批判発言するものもなく、 なんとも白けた、居心地の悪い時間であったようであり、 楽しいものであったはずの「 新年会 」は、 市への不信感、不快感一色に彩られ、 あげく、実際に腹痛を起こしたり、気分が悪くなったりするひとが続出し、 散々なものとなった。 市がもし、これをきちんと皆に事前に説明し、 皆にそうした心構えを持って貰ってから、皆が臨んでいたら、 如何に気持ちよく、意義深い時間となっただろうか。 それを伏せたまま、こんなことをするから、 「 騙された 」不快感と、実際に体調を崩すひとが続出してしまう。 余りに地域の年配のご婦人方(の情報力)を軽視した、 上つ方の机上の計画だけで行われたこころないやり方、だと言うほかはない。 自治体によっては、毎年、避難食の賞味期限前に、大掛かりな避難訓練をし、 非常持出袋の点検やら、ライトやラジオなどの動作確認やら 医薬品のチェックとともに、備蓄非常食を新しいものと交換する、と聞く。 その際、古いものの試食食事会をするのだ、と。 皆で情報交換しながら食事会をすることは、とても意義深いことであるし、 有事の際での、大人数の食事の実体験は、 非常食で必要となるお皿や箸などの準備品の点検から、 非常食そのものの質や量の再検討にまでつながる把握がそれぞれにできる。 今回の事件で義母たちが得たものは、市への不信感。 そして、非常食はマズい、お腹を壊す、怖い、といった、 非常食への拒否反応のみ、である。 私としては、なんとも残念、というか、 腹立たしく、情けなく、無念に近い想いである。