望郷
風車が廻るくるくる くるくるあの子の右手の赤い風車懐かしい記憶烏が鳴くから 帰りましょまたね また明日ね そう手を振る秋の夕暮れ風車が廻るくるくる くるくるふたりで遊んだ原っぱ君の着物の裾を 風がもてあそぶいたずらな風と 紅い髪留め大人になった君へ少女から娘に 君はさながら蝶のようにとても美しくなったよ わたしも君に似合う男になれただろうか夕陽が影を伸ばす 重なるふたつの影細く柔らかな肩を 生涯愛そうと誓った風車が廻るくるくる くるくるくるくる くるくるあの子の右手の風車わたしは青い あの子は赤い懐かしい声 懐かしい記憶 そして風黄昏に染まるこの原っぱにまだ君が立っている 風のいたずらに裾を押さえ風車を見つめながら+++++