バリュープロフィットチェーン 顧客・従業員満足を「利益」と連鎖させる
・バリュー・プロフィット・チェーンとは顧客満足度(CS)を上げるためには先ず社員のモラール、モチベーションを高揚させて意識の高い従業員が多く集まれば、自然と良い製品・サービスが創造でき、価値創造の連鎖が出来上がる。http://item.rakuten.co.jp/book/1745360/ James L. Heskett (原著), Leonard A. Schlesinger (原著), Jr.,W.Earl Sasser (原著), 山本 昭二 (翻訳), 小野 譲司 (翻訳) \2400日本経済新聞出版社この本は、顧客と従業員を満足させることと、製品・サービスの価値提供の仕組みを創出することを連動させることで、価値の連鎖を最大化する現代の企業組織の方法論である。価値とは顧客にとっての結果であり、結果を得るまでの過程品質である。古いマーケティングの言葉に「顧客は四分の一インチのドリルではなく、四分の一インチの穴を買うのだ」というのがある。この言葉の意味は、四分の一インチのドリルの販売を考えている経営者は、低費用で穴を開ける優れた方法を開発している業者の競争相手にはなれない、ということである。ドリルは製品である。ドリルの修理はサービスである。「結果こそが事業である」と定義したとき、その事業は初めて利益の出るものになる。」顧客は製品やサービスを購入するのではなく、結果を購入する。そしてさらに言えば、結果がもたらされる方法、すなわち「過程品質」をも同時に購入している。この本では(結果+過程品質)÷(価格+顧客のアクセス費用)が価値であると述べられている。 顧客は満足度(Satisfuction)と忠誠度(Royalty)が向上すると企業にとって「敵対者」→「傭兵(浮動票)」→「忠誠者」→「伝播的忠誠者」→「使徒・所有者」へと変化していく。ステップが上がるごとに顧客にとっての生涯価値もあがっていく。他の消費者に対して製品を推奨するようになる。その結果満足 予測していた以上のものを手に入れられた↓忠誠 繰り返し購入することで「シェア」を拡大↓コミットメント 忠誠を示すとともに満足したことを他者に話す↓伝道者的行動 高い忠誠へと発展して他社の購買を説得する↓所有者意識 提供物の継続的な成功への責任を負う 多くの製品・サービスでは伝播的忠誠者(リピーター)やヘビーユーザが15%を超えることはないが、彼らは販売額の85%を購入している。この本の試算では10年間で「伝播的忠誠者、使徒・所有者」グループは「傭兵」グループの138倍の価値があるとしている。関係が深いほど価値に貢献するということになる。従業員のもたらす価値も顧客と同じかそれ以上に重要だとされる。特に生産性の高い従業員の離職は企業に大きな損失をもたらす。経験豊かな自動車ディーラーが新人に代わると生産性が低下し販売に30万ドル以上の累積費用が生じるという。データベースのオラクルのエンジニアが辞職すると代わりの採用と教育に数倍の費用が掛かるらしい。メリルリンチでブローカーが引き抜かれることは、クライアントを失うことにつながり数百万ドルの損失にもなる。企業では2007年問題で意識の高いベテランの団塊世代の大量定年を迎えているが、彼らの知識の伝承と若手の離職率を如何に下げるかが人材関連の課題だがナレッジマネジメントと上記がソリューション(解決策)として使える。