森の住人から「ねぇ、ちょっと聞いて、聞いて!」

2010/05/11(火)15:23

役所がらみの、詐欺まがい行為

マイ・ニュース(39)

  運転免許を取って初めての更新のとき、関西のある警察署で、大喧嘩したことを思い出す。40年以上も前、僕も20代で若かった。その頃は更新の際、全員に義務づけられていた講習会の有料教材を、僕は「いらないから、その分、更新手数料を安くして欲しい」と言ったのだ。   ところが警察は、「教材は全員が買うことになっているので、もし要らなければ捨ててくれてよいが、手数料は安く出来ない」と言い張る。聞けば、教材は交通安全教会が作って売っているのだという。それなのにそれを売っている係員は皆お巡りさんと似た格好をしていた。「法律で義務化されている訳でもないのに、警察官のふりをして全員に強制的に買わせるのは、詐欺だ」と僕は、言い張った。周囲の人からは「変な人が変なことを言っている」と冷たい目で見られたと思う。でも結局、その時は、教材分を手数料から引いてくれた。   今回、鳩山政権の「事業仕分け」第2弾で、対象となる73の公益法人に全日本交通安全協会も、含まれているのを見て、40年以上も前の記憶が甦ってきた。僕は、随分前から、誰に聞いたわけでもないのに、この団体のやっていることが「おかしい」と疑問を抱いていたことになる。随分「先見の明」があったんだなあと、自分でも可笑しくなる。それから免許更新の度に、何回かこうした喧嘩をしてきた。   結局、警察官OBの「天下り」先の仕事を作るためだけに、免許更新の度に、日頃はスーパで1円でも安い買い物をしている人たちに、不要な高い本を強制的に買わせる仕組みが続いていたのだ。これは、本の押し売り以外の何物でもない。希望者だけが、本屋で買えば良いのだ。もし、それではダメだというなら、この本のお蔭で事故がどれだけ減ったのか、仕分け人ならずとも、「科学的なデータを出して欲しい」と言いたい。   このほかにも、先日パスポートの期限が切れ、更新したら、手数料が5年もので1万1000円、10年もので1万6000円と言われた。偽造防止が施されているとはいえ、写真を貼った赤い小冊子が何でそんなに高いの? その金は何処に行くのか? 窓口の人に問い質したいと思ったが、今回は「大人気ない」と思いやめた。「僕も歳をとったんだなあ」と、40年間の年齢の推移を感じたが。でもこれも、「天下りの」人に莫大な給料を払うために何処かの法人の濡れ手の中に納まるのではないか、と疑ってしまう。   他にも、多くの人が「当たり前と」思い込まされてきて、マスコミも問題提起しないまま長期間放置されてきたことで、詐欺まがいのおかしいことが、役所がらみでは、まだまだいっぱいあるに違いない。民主党政権が良いことばかりやっているとは思わないが、「事業仕分け」と「官僚の利権を暴く作業」は、50年以上続いた自民党・官僚独裁政権時代には、決して出来なかった、確実に良いことの1つではないだろうか。

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