2009/01/15(木)22:18
「チェ 28歳の革命」端折り過ぎだが
監督 スティーヴン・ソダーバーグ
チェ・ゲバラの半生を描いた2部作の前編。64年の国連演説とカストロに出会ってキューバ革命に成功するまでが交互に描かれる。
感想
英語とスペイン語それぞれに字幕がつき、髭を伸ばしている人物の区別がつかなかったりで、ややわかりにくい。
物語そのものも、端折りすぎで説明不足な感じがする。完全に理解するためには予習が必要だと思う。
それでも、わずか82人でキューバに乗り込んだ革命軍が、なぜ2万人のバチスタ正規軍に勝つことができたのか、ということがよく描けている。
優秀なリーダーに統率された革命軍は、略奪を禁じ、負傷兵も捕虜も大切に扱う。そして、しだいに多数の国民に支持され、志願者が集まる。一方、バチスタ軍はしだいに士気が下がり、無駄な殺戮を行なわないことを明らかにした革命軍に投降する者も増えてくる。
しかし大きくなっていくにしたがい、革命軍も末端までの統率が効かなくなっていったという問題も描かれている。
国連でのゲバラの演説とインタビューのシーンは緊張感にあふれている。アメリカ国民から見れば、キューバ革命は悪夢のようなできごとであっただろうし、その中心にいたゲバラは悪魔のように思えただろう。
ゲバラにあまり似てないけどベニチオ・デル・トロはゲバラが革命家として成長していく姿を見事に演じている。カストロと出会ったばかりのシーンと国連演説のシーンがとても同じ人物には見えないぐらい素晴らしい役作り。
デミアン・ミチルは、革命家であると同時に政治家であったフィデル・カストロ像をうまく見せていると思う。
後にゲバラの2人目の妻になるアレイダを演じたカタリーナ・サンディノ・モレノがとても魅力的だ。