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カテゴリ:読書
怪笑小説 東野圭吾 平日の夜、都心から郊外へ向かう満員電車の中、乗客の不満はしだいに高まっていく・・・という「鬱積電車」を初めとしたブラックな笑いの短編集。 感想 興味深いことに、作者自身が「あとがき」で、それぞれの短編が誕生したきっかけを披露している。 シリアスな物を期待している(だろう)東野圭吾ファンの戸惑いを慰撫するために書かれたものなのかも知れないが、この短編集をきっかけにファンになったという読者も少なくないようだ。 最後の一ひねりが効いていて、おもしろい作品が並んでいる。特に「一徹おやじ」は悲しくもおかしい。 この短編集の中で一番のお気に入りは、幼い頃にタヌキが飛ぶのを見た主人公が、タヌキの超能力を研究し、UFOタヌキ説を究めていく「超たぬき理論」。テレビ番組で、UFO宇宙人の乗り物説を論破する場面に大笑いした。非科学的な言説が非科学を打ち破るというあたり、さすが理系の問題意識というところか。 「あるジーサンに線香を」見た瞬間、ダニエル・キイスの小説タイトルに似ているなと思ったら、パロディだった。これ盗作じゃないの?という感じもするけど、まぁオリジナルを隠そうともしていないので良いでしょう。オリジナルを知っているとクスクス笑いが楽しめる。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009.01.18 10:24:24
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