テーマ:DVD映画鑑賞(13978)
カテゴリ:アジア
2008年11月公開 監督:ジョン・ウー 制作費:Part1・Part2 合計100億円 中国の三国時代の歴史的史実を元に書かれた、羅貫中(らかんちゅう)の「三国志演義」の中でも、特に激戦であり人気のある「赤壁の戦い」を映像化した歴史アクション映画。 監督は、『フェイス/オフ』や『ミッション:インポッシブル2』など、アクション映画を撮ることにかけては定評のあるジョン・ウー。 日本からは、諸葛亮孔明役に金城武、甘興役(史実の人物をモデルにしたオリジナルキャラ)に中村獅童が出演。 [簡単なあらすじ] 西暦208年。 後漢の丞相である曹操は、河北(中国北部)を平定し、ついに荊州(けいしゅう)へと軍を南下させてきた。 「長坂の戦い」で、曹操率いる15万の大軍と激戦を繰り広げた劉備軍は、劉備を慕う民と共に南へと流亡。 中国南部を支配していた孫権の元へと身を寄せる。 曹操の大軍を前に、和平を訴える呉の文官たち。 抗戦か恭順か、心揺れ動く青年君主孫権を説得する、劉備軍軍師孔明。 やがて孔明は、呉の軍を指揮する大都督(だいととく)周瑜と邂逅し、周瑜の決断によって劉備・孫権連合軍が結成されたのだった。 「南船北馬」。曹操の大軍を迎え撃つには、呉軍が得意とする船上戦しか道はない。 ここに、世に言う三国志最大の決戦、「赤壁の戦い」が切って落とされようとしていた――。 中国最大の歴史物語である「三国志」を題材とした、歴史巨編。 古来、外国といえば中国のことを指したように、日本にとっても中国の歴史は大変身近なもので、日本人でも「三国志」のファンという方は大勢居ることでしょう。 (最近では、「三国志」を題材としたゲームも、とても流行ってますね) ならば本国である中国人は言わずものがな。 中国人全国民が関心を払っていたという大作である、「レッドクリフ」。 しかし、はっきり言ってしまうと、ストーリー部分は、かなりいまいちです。 特に、ある程度三国志(正史・演技)に詳しい人には、物足りなさが残るはず。 魏(曹操軍)は完全に悪者扱いで、曹操以外の人物もろくに描かれていないし(これは視点の関係で仕方がないかな……)、「赤壁の戦い」の張本人(国?)である呉の武将も、周瑜、魯粛、甘興(甘寧をモデルとしたオリジナルキャラ。日本人の中村獅童が演じているから?)のみ。 逆に、おまけである劉備陣営は、関羽、張飛、趙雲に孔明と、有名どころはほぼ全員登場。 この辺は、あまり三国志を知らない人をターゲットに据えた結果と言えなくもないのですが、やはり、どうにも薄っぺらい印象を受けずにはいられません。 また、周瑜、孔明の琴によるセッションなんかは、無駄に尺を取っていて要らなかったなぁ、と。 周瑜と小喬のラブシーンも、要らないとは言わないけど、ちと長すぎるきらいが。 おそらく、ジョン・ウーの構想では、尺が3時間オーバーになってしまい、だったら二部に別けてくれと製作サイドに言われて、残りの時間を適当に水増しして誤魔化した、というのが真相なのではないでしょうか……。 ただし、映画自体がつまらないかというと、まったくそんなことはなく。 前述の、登場人物の偏りも、史実よりは映画としてのエンターテインメント性を高めた結果。 そう、監督ジョン・ウーの本領は、アクションにあり。 多彩なカメラワークによって撮影された、凝りに凝った戦闘シーンは、昨今の映画の中でも抜群のド迫力です。 ストップモーションとワイヤーアクションの使い方は、さすが熟練の手腕。 また、圧倒的なまでの、兵士と船艇の数も見どころのひとつ。 生身の人間によって組まれた、戦闘陣形。 ひたすら格好よさを追求した、猛将たちのぶつかり合い。 ジョン・ウーという人物は、いかに格好よく画を見せるか、というものにこだわる監督です。 ならばこちらとしても、「ほうほう、そうくるか」と、アクションを楽しむのが正しい見方というもの。 せっかく「八卦の陣」に敵兵を誘い込んだのに、実際に戦うのは関羽や張飛といった武将たちだけなどというのは、観客へのサービスショットに他ならず、どう考えても、「真・三国無双」の実写化そのもの(笑) しかし、これがまたすこぶる格好いいので、すべては許されてしまうのです。 張飛なんかはなぜか素手だし、趙雲の騎馬戦はどう見ても『ミッション:インポッシブル2』のバイクシーンそのもの。 最終的にはなぜか大都督の周瑜まで出張っていって、『トロイ』のアキレウス(ブラッド・ピット)張りの回転攻撃を見せてくれました。 もうニヤニヤが止まりません(笑) そしてこの映画、実はキャスティングにも紆余曲折が。 まず、当初孔明役だったトニー・レオンが体調不良を理由に降板したため、代役として金城武が決定。 ところが今度は、メイン主人公の周瑜役である、香港出身のアクション俳優チョウ・ユンファが、クランクイン当日に突如として降板。 ジョン・ウーを慮ったトニー・レオンが、周瑜役を買って出たためなんとか事なきを得たという、製作開始前から波乱に飛んだ経緯をもった映画なのです。 結局、周瑜はトニー・レオンが見事に演じてくれましたが、下手をすると完成すらあやうかったかも。 ちなみに、そのチョウ・ユンファの方はなにをしていたかというと、『ドラゴンボール エヴォリューション』で亀仙人役をやっていました。 どちらがよかったかは……、皆さんの判断にお任せしますが。……ねえ?(笑) さらにちなみに、孫尚香役のヴィッキー・チャオは、『少林サッカー』でまんじゅうを作っていた娘ムイ役をやっていたりします。 女性って化粧で随分変わるもんなんですねぇ……。 三国志好きには若干の物足りなさが残りますが、是非アクションを堪能して欲しい映画です。 ちなみに私の一番好きなキャラは孫権でした。 この俳優さん、格好いいわぁ。 ********** 【10万ポイント山分け】レッドクリフ Part1 Standard Edition レッドクリフ PartI(Blu-ray Disc) この映画の詳細(Amazon)。 ⇒レッドクリフ Part I スタンダード・エディション [DVD] お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009.05.01 14:24:01
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