2009/10/22(木)19:13
E.T.
1982年12月公開
監督:スティーヴン・スピルバーグ
製作費:1千万ドル
全米興行収入3億ドルという破格の大ヒットを記録した、スピルバーグ監督によるSF映画。
第55回(1982年)アカデミー賞、視覚効果賞、音響効果賞、音響賞、作曲賞を受賞。
タイトル、及び登場する異星人の名前「E.T.」は、地球外生命体(The Extra Terrestrial)の略である。
[簡単なあらすじ]
ある夜、植物の調査をするために、異星人の宇宙船が地球へと降り立った。
ところが、人間に発見されそうになり、急いで宇宙船が飛びたったため、ひとりの異星人が取り残されてしまう。
一方で、両親の別居にともない寂しい日々を送っていた少年エリオットは、自宅の裏庭になにかが居ることに気づきお菓子で釣ってみたところ、なんとそれは異星人だった。
彼をE.T.と名づけ、大人たちから匿おうとするエリオットと兄妹。
だが、突如E.T.の体調がおかしくなり、その存在を付け狙う人間たちも現れて――
スピルバーグ監督作品の中でもとりわけ有名な、SF・ファンタジー映画です。
コミカルで心暖まるストーリーは、子供から大人まで、幅広い年齢層に人気。
スピルバーグ監督が描くSF映画としては2作目となり、『未知との遭遇』で描かれた異星人との“遭遇”から今度は“共存”へと、直接ではないものの続編的な位置付けの物語ともなっています。
今回久々に観賞したのは、公開20周年を記念して作製された『20周年アニーバーサリー特別版』で、当時の技術では表現しきれなかったE.T.の細かい表情や、いくつかのシーンをCGで再現し、編集しなおしたもの。
さすがに、オリジナルがどのようなものだったかはっきりとは憶えてないのですが、E.T.の表情などは、かなり多彩に動くようになっていました。
ギョロッとした目玉に亀のような顔、しわしわの体と、結構気色の悪い主人公のE.T.。
しかし、見ているうちに慣れてくるのか、次第に愛敬があってかわいく思えてくるから不思議。
食べてばかりで、あまり知的なようには見えないけれど、人間よりも植物に興味を持っていたり、治癒などの超能力を使ったりできるので、そういう文化系で進化した異星人なのかも。
また、体型がこんなんなので非常にどんくさそうですが、たまに機敏に動いたり、首が伸びたりします。
ハロウィーンのシーンでは、ヨーダの被りものをした子供に特別な反応を示すなど、小ネタも少々。
一方、もうひとりの主人公、小学生の男の子エリオットは……、E.T.のインパクトに押され気味で、若干地味め。
この映画で、E.T.と並んで立つマスコット的存在、エリオットの幼い妹ガーティ。
演じているのは、なんとドリュー・バリモア!
純真、無邪気でたまらなくかわいい彼女が、将来「チャーリーズ・エンジェル」になろうとは、さしものスピルバーグも、夢にも思わなかったことでしょう。
有名な、自転車の飛行シーン。
E.T.が乗っているもの以外の自転車も飛ぶんですね(あんまり憶えてなかった)。
あの音楽が流れると共に、子供たちを乗せた自転車がふわりと飛び上がると、感情がたかぶってきて思わず涙が。
自転車が飛ぶってだけで、なぜこんなに感動するんでしょう。
やっぱり、スピルバーグはすごい。
30年近く前の映画でありながら、今観てもまったく色あせない、不朽の名作。
彼らの、友情と別離を描いたラストシーンでは、感極まって号泣してしまいました……。
純真無垢な彼らだからこそ、異人種間でも強い絆で結ばれることができるんでしょうね。
現代の子供たちが観たら、どのような感想を覚えるのかも興味深いところです。
多分に子供向けであり、SFとして合理的な説明のつかない箇所などもいくつかありますが、単純な娯楽作として楽しいんだからよしとしましょう。
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E.T.
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