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オコ2829

オコ2829

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2007年06月06日
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「いたわよ~、高校のときね、、カナダ人と付き合っていたの、、」

「ええ?高校ですでに外人と?
すごく格好いい!!」



想像した通りの反応に
私はかなり満足していた。
その後は二人からの色んな質問攻めになったのだが、
十年以上も突き通してきた嘘は
完璧な実話になっていて、全くと言っていいほど
非の打ち所が無かった。


「ええ、彼の名前はジミーでね、
私の全てをあげた人よ、、、
でもジミーのお父様の急な転勤で私達は離れ離れ、

あの時は哀しかったわ、、
だって結婚しようって誓っていたんだもんね、、

私、彼を待ってたのかも、
だから今も独身なのかもね、、、」



ここで一呼吸置き、
二人を見て微笑みながら
話を続けた。


「彼、バンクーバー出身だったから、
会えるんじゃないかな、、、なんて思って
やって来たのかもね、、、ふふふ、、」




語尾を推定させるようにして少しはぐらかした。
これもいつもの技であった。
本当のような、
本当でないような話の持っていき方である。


ただ、一つ嘘じゃなかったことは、
本当に夢男(ジミー)がこの街
バンクーバーのどこかにいるんじゃないかと、
なんの確かな証拠も無いのに
変な確信だけはあり、
彼を探してみたい気持ちはあったのだ。


「いいなあ、、ロマンティック、、」


「初恋の相手だからね、忘れられないわ、、、」


嘘の話をまとめるように
私は止めをさした。


「素敵、今の恋人達って、そういうロマンティックなことがかけているんですよね、、、わ~私も道子さんを見習ってロマンティックな恋したい!」


「はあ~~、、、」



菊ちゃんと百合は空をみつめながら
大きな溜息をついた。
菊ちゃんは将来を誓った、日本にいる彼氏を思い出したのだろうか、
百合は、まだ見ぬ将来の彼氏に思いを寄せようとしていたのだろうか、、


しばらくして、
話題を変えるように
私は百合の方をみて話し出した。
これ以上
自分の嘘話を続けるのも
少し心が痛み出したからだった。


「百合はどうなのよ、あのアルゼンチンから来た彼、
百合にかなりのぞっこんじゃない?
それにアルゼンチンからカナダに語学留学に来るなんて
きっとお金持ちよ、、、
それに彼男前だし、付き合ってみるのもいいんじゃないの?」



百合はかなりうかない顔をしながら聞いていた。




「あ、ロベルトのこと?この前ね、彼の家の写真みせてもらったよお、、」

言い出したのは菊ちゃんだった。


「で、どんな家だったの?」



「白い大きな御家だったわよ~、あ、プールの写真もあったわよ、、
あれはかなりお金持ちね、、、」




少しずつ、百合の顔が高揚してくるのが目に余るほど分かったのである。


                       続く



いつも有難うございますウィンク

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最終更新日  2007年06月07日 02時12分38秒
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