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オコ2829

オコ2829

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2007年06月15日
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「それと、
ちょっと引っかかる事はあるんだ、、、」



百合が私から目をそらしながら話し出した。


「もちろん付き合ったばかりだし、将来のことを話すなんて
まだ早い時期だと思うのだけど、、

今ね、彼の母親がカナダに来てるんだ、、
でも私を会わす予定も組んでないみたいで、、、
私の事をどう思ってるんだか、、、」



「ふーん、、、」

いやらしい話だが、
百合がそんな話をしているにも関わらず、
私の頭から、ロベルトの裸が離れなかった。
そしてその横に裸で横たわる私、、、、
そう悪くは無いと、
私もロベルトと付き合えるかもと、
誰も聞いてもいないのにそんな想像ばかりをしていた。


そんな空想を何処かへ追いやるように、
百合に話しかけた。


「えっと、まだ付き合って2、3週間?だよね、、」

「3週間と2日」

百合はきっぱりと答えた。
カンバとロベルトに二股かけながらも
付き合った日にちをきっぱりと答えるということは、
やはり彼女は少しは真剣に考えているのだろうか?


「ロベルトも今週末まで母親と忙しいだろうし、
今週はカンバと遊ぶことにした、、、
彼、ダンって言うんだけど、彼の弟がビクトリアに住んでいて、
今週末遊びに行かない?って誘われているんだ、、、」



「ビクトリアって、、、、」

私がそういいかけたところで
あまり背の高くは無いブロンドヘアの男性が教室に顔を覗かせた。
お洒落センスがあるとは言い難いような裾すぼまりのジーンズを履いた
その男性は、少しはにかんだ笑顔で
百合に手を上げた。


百合は彼を見ると、

「もうちょっと待って、、」

といい
私に

「あれがダンよ、、」

と耳打ちした。

再び私が教室のドアに目を向けた頃、
廊下で待っていたのだろうか、
ダンの姿は見えなかった。

「いいのよ、分かってるの、なんであの男とって感じでしょ、、、」

誰も聞いていないのに、
自分で自問自答するかのように
言いながら、

お弁当箱を片付けだした。

「それになんでか、お金も無いのよ、、、
働いているくせに、、


ごめん、じゃあ行くね、、」



「うん、じゃあまた明日、、」

百合が席を立つと、
ダンが再び教室に入ってきた。
百合が言うように安物のジャンバーは少し薄汚れていた。
百合はダンに可愛い笑顔を向けると、
彼の腕に自分の腕を滑り込ませ
二人片寄せあいながら部屋を出て行った。

出て行く二人を見ながら、

「今日、百合はあんなに短いタイトスカートを履いていたんだ、」

と何気に彼女のスカートを目で追い続けていた。




彼女達が出て行った後、
残りのカレーを頬張りながら
再び百合の状況を考えていた。

「お金持ちな毛むくじゃらで百合を母親に紹介しないロベルトと、
貧乏で裾すぼまりのパンツを履くダン、、、、


金と貧乏、ダサい男にアルゼンチン、、、、」



私のこの単純な脳では、
百合の考えていることは到底分かるはずもなかった。



「28で後が無い、ってそういうことなのだろうか、、、

33で、処女の私は、後が無いという以上に未来もない?」



なんだかどんどん気分が暗くなった。

初心すぎたのだろうか、
百合の偽物の愛情を見てしまった私の心は
とても自分では這い上がれないくらいに
奈落のそこに落ちていた。


私は最後の一口を頬張ると、
急いで帰る用意をした。

まだ時間は早すぎたが、
早くカフェに行って幸子さんに会いたくなっていたのだ。



                        続く


いつも有難うございますウィンク

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最終更新日  2007年06月16日 02時49分26秒
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