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オコ2829

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2007年06月20日
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「彼、また店に来ますよね?来るんですよね?」

「ええ、来ると思うよ、、、」


幸子さんはそんな私を見ながら何か考えているようだった。
もちろんそんなことなど眼中に無く、
浮かれすぎていた私は
週明けの月曜日に早速百合たちに話すことにした。



「ねね、百合、私ね、ジミーを見たかもしれないの、
やっぱり彼、バンクーバーにいたかも!!」


「ええ~?」

びっくりして大声を出したのは
隣にいた菊ちゃんだった。

「よかったじゃないですか、幸子さん!
ジミーさんに会えたんですよね、

すご~~~い!

こんな大都会で偶然にも会えるなんて、
やっぱり運命の人なのかも~

いや~ん素敵~!」



素直に喜んでくれる菊ちゃんの横で
百合は相変わらずうかない顔をしていた。

「よかったじゃん、、、また
会わしてよね」


それを言うのが精一杯だったのだろうか、
勤勉でも無い百合は再び教科書に目をやった。


「私も会わして欲しい~、どんな人か見てみたい!」


素直に喜んでくれている菊ちゃんを見ながら、
ふと自分の嘘を思い出していた。

彼女達の中では、
私とジミーが昔付き合っていたことになっていて、
好きだったのに別れた中なのだ、、、


「え、うん、会わすよ、、、でもこのまえ偶然町で見かけただけだから、
声もかけそびれて、、

今度また偶然会えたら、、、
頑張って話しかけるよ、、、」



私達が付き合っていた話しは私の作り話で、
ジムという男は
私の事など全く知らない、
ひょっとすれば彼には妻がいるかもしれないのだ、、、



「また偶然に出会えますよ、大都会と言えど、
ここのダウンタウンは狭いですし、、、」



ジムの事を彼女らに話したことに少し後悔していた。
そんな横での百合のしかめっ面が
かなり気になりはじめていた、、。


「でさ、百合、ビクトリア、どうだったのよ、ダンと
行くって言ってたじゃない、、」



「ええ、行って来たよ、
それはそれなりに楽しかったけど、、
ダンの弟の家に泊まったんだけど、かなり汚くて小さい家でね、
そのベースメントに泊まったんだけど、、」


百合は教科書から目を離さずに話し続けた。


「彼の弟、バイカーでね、
ベースメントの半分がバイクの部品やら壊れたバイク、
直しかけのバイクで埋もれていて、
部屋の隅にはビールの空き瓶が山積みにされていて、、
ハエもがんがん飛んでるし、、

そんな中、ベースメントの片隅にあるベッドルームに泊まったんだけど、



最悪だったわ、、、」



いわゆるトラッシュ系の人たちだったのだろうか、

百合が教科書から目を外し
私達を見た。
彼女の瞳には寂しさと怒りが見え隠れしていた。


「でも、百合さんが好きなら、弟さんの家がどうだったって
いいんじゃないですか、、、」


無垢な菊ちゃんが素直に聞いた。


「そうじゃないのよ、、」

だんだんと百合の口調が強くなっていった。

「そうじゃないのよ、
金の持ってない男なんていやなのよ、
男で苦労するなんてまっぴらごめんよ!

菊ちゃんは苦労したことないから
そんなこと言えるのよ、、」



私は男で苦労してきた、、、
男が出来ない、
男に相手にされないという苦労だった。


百合には違う男の苦労があったのだろうか、、、。


                           続く


いつも有難うございますウィンク

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最終更新日  2007年06月21日 20時44分51秒
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