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オコ2829

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2007年06月26日
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頭がそんなに良くない分、
私の計算はかなり浅はかなものなのだが、
それでも常に色んなことを裏読みしながら行動してきた
私の性格というものは
無垢、という言葉とは程遠かった。

私はそれを偽り、
かなり無邪気な風を装ってこう聞いてみた。


「うわっ、素敵、ビクトリアにも家があるんですか?
私、一度も行った事がなくって、、、
一度行って見たいと思っていたんです~。」


両手を胸の辺りで組み、
語尾を少し上げてみた。
果たしてその行動が、
33歳の私に相応しかったかどうか分からないが、
よくある古い手を使った。


行った事が無い=行ってみたい=誘って欲しい=彼の家に泊まれる?

言った事が無い+誘われる=彼の部屋に泊まれる?

年頃の二人×彼の家に泊まる=鬼のパンツがやっと脱げる?




という
方程式が私の頭の中を駆け巡っていた。


「ビクトリアはいいところですよ、
ここと比べるとかなり田舎なんですが、
のんびりしているし、、」



「え~、私、田舎好きなんです~都会育ちだから
田舎暮らしに憧れて、、、うわあ、言ってみたいな、、」



少し首を傾げたりもした。


「バンクーバーにいるのなら、一度は是非行ってみるべきですよ、、」


「はい、でも、どうやって行っていいのか知らなくって、知っている人と
一緒に、、、、」



「PCLってバスに乗ればバンクーバーのダウンタウンから
ビクトリアのダウンタウンまで直行ですよ、、
ビクトリアのダウンタウンから色んなツアーも予約できますしね、、
お友達と来られるならレンタカー借りて色々周るのもいいですし、、」



色んな方向で責めてみても、
彼はひらりと返してくる、、

それでも私は

「私は彼の好みのタイプじゃないのだわ、、」

などという発想は一向に浮かばず、
夢で会い続けた運命の彼を信じ、

「私達まだ会ったばかりだし、彼は恥ずかしがりやなのかも、、」

と思い込んでいた。

再びぱらぱらと
「おコンパルール」をめくりだし、

押しても駄目ならもっと押してみろ!

の最後の作戦にでてみた。


「じゃ、今度行きます~、でね、行った時、ジムに連絡していいですか?
あ、あの、その、、なんていうのかな、、
会えればいいかな、なんて、、」


自分でも照れていたのか照れていなかったのか分からないほど
私は女優顔負けの演技で
かわいい照れた女を演じたのではないだろうか?


そんな会話の中、
幸子さんはジムのラテを作り終えていた。

ジムはそのラテをとる前に
シャツのポッケから一枚のビジネスカードを取り出して
後ろにさらさらと何か文字を書き出した。

彼はそれを書き終えると
私の目の前にその名刺を差し出し、

「裏に僕の携帯番号を書きました、、
殆ど毎週末ビクトリアに帰っているし、
もし来る事があればいつでも電話してください。
それと、メールアドレスもここに書いてあるし、
いつでもメールしてくれていいですよ、、」


彼は軽く私にウインクすると、
軽く片手をあげて店を出て行った、

いつも夢で見せていた
あのさわやかな笑顔を残して、、、、
 



                          続く


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最終更新日  2007年06月27日 05時09分26秒
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