000000 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

ラブレターフロームカナダ

ラブレターフロームカナダ

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

プロフィール

オコ2829

オコ2829

カテゴリ

フリーページ

2007年07月10日
XML

ブリッジを亘り、
バンクーバーの綺麗な夜景を見ていた。

長年の夢だった初キッスを今夜やっと終えたのに、
私の心はドロンとよどみ、
あの蛸の吸盤のようなねっとりした感触がまだ唇に残っていた。


「気持ち悪い、、、」

そういいながら
私は再び唇をハンカチで拭った。




やはり初キッスは

シンデレラのように結婚式の夜、大きな花火が上がっている最中で、

いや、
白雪姫のように、眠った私を起こすために王子様が、

それとも、
眠り姫のように、王子様が私のために戦ってくれ、そのご褒美に、、、


色んな夢を今までずっと見続けていたのだ。
そして、
夢の中で夢男にキスされたように、
ラベンダーの味がするはずなんだと
疑わなかった私。

33歳にして夢見がちだった自分を少し情けなく思っていた。





バンクーバーの夜景がどんどん小さくなっていく、


私はそれを見つめながら
遠い昔の花ちゃんとのやり取りを思い出していた、、、。








「昨日ね、彼にキスされたの?」

「でさ、どんな味やった?よく言うやん、レモン味とか、小梅キャンディの味とか、ミントとか、どんな味やった?」

「何の味もしなかった、、」










「花ちゃん、、、まだよかったやん、何の味もせ~へんで、、、

私のはビールの味がしたわ、、、、」



と独り言を言った。







そう、私の初キッスの味は、

ビールの味とタバコの味、
ロベルトの臭い口臭が入り混じった味に、


「ロベルトの腋臭の匂い」

というスパイスが加わった味だったのだ。


なんとも残酷な、
罰ゲームのようなものが私の記念すべき初めてのものになったのだ。
そして、
私は一生それを忘れないだろう、、、、





その日の夜、家に帰ると
スーパーの袋に無造作に、その日着ていた服を突っ込むと、
袋の入り口を固く結び、
ゴミ箱へほおりこんだ。


そう、


「峰不二子ワンピ」


からやっと卒業できたのだ。



                            続く



ランキングに参加してます^^よろしくです^^
人気blogランキングへ





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2007年07月11日 02時13分07秒
コメント(6) | コメントを書く
[鬼のパンティ、道子の日記2] カテゴリの最新記事



© Rakuten Group, Inc.