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カテゴリ:積ん読くずし
近頃、山本一力づいているのだけれど、これも楽しい一冊でした。 瓦版の職人だった主人公が賭場に出入りするようになり、ひょんなトラブルから 渡世人になる。そして親分の名代として初めての旅での道中を通して、成長して いくという青春ものだ。 ただ、時代が江戸時代ということもあって、人情が伝わるエピソードがそこかしこに はさまっていてそれが泣かせることもあり、楽しくもある。 それよりもお年寄りが大事にされていたり、大店の隠居が成田詣でで長逗留をしたり とゆったりとした生活のリズムが心地よい。 便利になった現代よりも何日も何か月もかけて旅をするってことがどれだけ 大変だったのか、だからこそ日常のありがたみと旅の非日常がより際立って いて、ある意味これだけの非日常感ってのは現代が失ったもっとも大きなものの 気がする。 そんな気分にずっぷりと浸れる癒される一冊ですな。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008.01.24 23:45:53
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