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武蔵野航海記

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2007年04月30日
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時代の節目にくると他国から新しい思想を輸入して、体制を立て直すのが日本人は非常に好きです。

1300年前には支那から律令制度と仏教を輸入し、400年前に徳川幕府は儒教の一派である朱子学を輸入しました。

明治維新後、キリスト教を作り変えて天皇教を作り、戦後はアメリカ式の民主主義に鞍替えしました。

そしてこれらの輸入の価値観を正しく理解せず、日本式に大いに加工しています。

本場の価値観は動かない絶対的なものを基礎にした壮大な体系を持っているのですが、その本質的な部分を骨抜きにしてしまうのです。

相互に関連して体系化されたものをばらばらにして、その部品の一部を使って自分たちの分かり易いようにしてしまいます。

結局、体系をくずして感覚的な「あるべきようは」の新しいバージョンにしてしまうのです。

そして個々の部品を「型」と考え後生大事に守るわけです。

私はこういうことを繰り返しても意味がないと思うのです。

日本人が輸入品の「民主主義」をマスターするにしろ、自分たちの伝統的な「あるべきようは」を発展させるにしろ、大事なのは「体系化」です。

一つの価値観を体系化し論理的に整理する作業をしなければなりません。

日本人が価値観を体系化するかわりに考え出した安易な手法が「型」ですから、体系化するにはこの「型」から決別しなければなりません。

日本人に大きな不利益をもたらしてきた「型」を捨てて初めて次のステップに進めるのだと私は考えます。

これが、長い間日本というものを考え続けてきた私の結論です。

今回ローマ史を読み直してみたのも、私の感じたことを整理するためでした。

今、私は若い世代の日本人に「型」の問題の大きさとそれを捨てることが如何に大切かということを訴えて行きたいと考えています。

これはある意味では「教育」だと考えます。

そしてその第一歩として、この「型」に関する著作を出版しようと考えています。

「ローマ史を読みました」終わり。





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最終更新日  2007年05月07日 13時39分04秒
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