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「万物の元は水である」とおかしなことを言い出したタレスは、ギリシャ人で最初の哲学者と言われています。
彼の生没年は良く分からないのですが、紀元前624年に生まれ546年に亡くなったと書いてある本もありますから、今から2600年ぐらい前の人です。 ギリシャのポリスが連合してペルシャ戦争に勝ったことによって、ギリシャは最盛期を迎えました。 このときのギリシャ軍の主力は平民が重装備をして密集して戦ったファランクスでした。 つまり平民が軍隊の主力だったわけで、この実力を背景に民主政治が行われました。 これが始まったのが紀元前500年ですから、タレスはペルシャ戦争より100年ぐらい前の人です。 「イリアス」や「オデッセウス」というトロイ戦争をテーマにした有名な古典がありますが、これを書いたホメロスは何時頃の時代の人か、そもそも彼は存在したのかもはっきりしません。 しかしその作品である「イリアス」や「オデッセウス」は紀元前8世紀の社会、つまりペルシャ戦争より200年ぐらい前の社会を反映していると考えられています。 ここでのギリシャ軍の兵士はみな王侯貴族です。 そして彼らは自分の先祖はオリンポス神話の神であったと出自を誇っています。 つまり、「イリアス」や「オデッセウス」の背景になった社会とペルシャ戦争との間には200年の開きがありますが、その間に王侯貴族が威張っている社会から民主制の社会にギリシャは大変動しています。 そしてタレスはちょうどこの中間に生きていたわけで、時代が大きく変わっている最中でした。 ギリシャ史上最初の哲学者タレスを考える時は、この時代背景を頭に入れておかなければなりません。 なぜタレスが最初の哲学者と言われているかというと、彼は物事を真面目に考えたからです。 ではそれ以前のギリシャ人は真面目ではなかったのかというとそういうことでもありません。 タレス以前のギリシャ人は、物事を「伝統的に」考えたのです。 タレス以前のギリシャは、各ポリスで王侯貴族が頑張っている社会でした。 各ポリスは数万人の小さな社会で、少数の王侯貴族と数千人の成年男子の平民がおり、それ以外には平民の家族と奴隷がいました。 こんな小さな社会ですから、法律などというものはなく、すべての紛争は慣習によって裁かれていましたが、この慣習の源は神話でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007年11月09日 09時06分46秒
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