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共産主義というのは、はるか昔から貧富の差が無い社会ということで、人間の理想社会の一つになっていました。
19世紀になって産業革命が起き労働者と資本家という従来無かった階級が突然発生した時も共産主義が流行りだしました。 産業革命以前に存在したのは、商人と職人でした。 職人はいわば自営業であって賃金労働者ではありません。また職人のトップであるマイスターは社会的地位が高かったのです。 ドイツではいまでも、マイスターは企業の課長クラスより高い収入を得ています。 そういう古きよき時代が去り、不熟練賃金労働者が発生し、彼らを雇う資本家が登場したわけです。 産業革命が起きてこういう状態になったわけですから、その問題を解決しようとする共産主義も、産業革命が現に起りつつある先進国で流行ったのです。 イギリス・フランス・ドイツなどで共産主義思想が起りました。 しかしこれらの先進国は問題の深刻さをよく理解し、その対策を講じました。 一番熱心だったのがドイツの鉄血宰相ビスマルクで、労働時間を制限したり最低賃金を設定したり、未成年者の労働を制限したりと、労働者の地位向上に努めました。 こうしないと労働者が共産主義にいってしまうからです。 日本を始め世界中の今の社会政策は、ビスマルクの政策を真似したものです。 こういう事情もあって、共産主義は先進国では勢力を伸ばせませんでした。 そして今ではこれらの先進国では、純粋の共産主義はほとんど絶滅しています。 ところが後進国のロシアは、こういう労働者保護の政策をとる精神的余裕が無かったので、革命が起きてしまいました。 支那は労働者などという気の利いたものはいなかったので、百姓が革命を起こしました。 支那の場合は、実態は共産主義革命ではなく伝統的な農民反乱で、それを毛沢東が「共産主義革命」と名前を付けただけです。 共産主義を実現させる社会的基盤が無いので、革命騒ぎが収まった後に出来た政権は共産主義ではありません。 ただそう称しているだけでした。 このように共産主義は、その思想が出来た本場では絶滅し、辺境でその名をかたってそのまがいものが栄えました。 仏教も同じで、本場であるインドでは絶滅してしまい、東南アジアや日本という辺境で残っています。 日本などは仏教が起きた社会的基盤が欠けているので、その仏教もまがいものです。 もう一つ共産主義と仏教で似ている点があります。 「人間の本性を変えようとした」ということです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年06月17日 09時11分06秒
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