埼玉みらいプラン

「岩槻駅まで　地下鉄７号線延伸の建設費　償還期間１０年　延長を」東京新聞
http://www.tokyo-np.co.jp/article/saitama/20100820/CK2010082002000068.html

　さいたま市の浦和美園駅（埼玉高速鉄道）から岩槻駅（東武野田線）まで地下鉄を延伸する地下鉄７号線延伸計画で市は20日、国の補助金を受ける際の条件となる建設費の償還期間を現行の30年から40年へ緩和することを国に要望する。市は2012年度末までに延伸の事業着手を目指しているが30年で償還できる採算が見込めないためで国が要件緩和を認めるかどうかが、延伸の成否のカギを握りそうだ。市が要件緩和を求めるのは国の補助が受けられる「都市鉄道等利便増進法」。浦和美園－岩槻間の総工費は約750億円と見込まれ市は同法の適用を受けて（１）国（２）県と市（３）建設整備主体がそれぞれ三分の一（約250億円）を負担する形での延伸を目指している。だが同法の適用には延伸路線の鉄道運営事業者が、建設整備主体が負担した約250億円を30年間で償還できる採算性確保が条件となる。採算性を高める目的で市は延伸時に新設予定の「（仮称）埼玉スタジアム駅」と岩槻駅の間に、中間駅を設ける構想も立てている。中間駅周辺で住宅開発を行い、大学や企業などの集客施設を誘致することで利用者数増を図ろうと、需要調査をしている。しかし開発や誘致は進んでおらず、市幹部は「30年だと償還はかなり厳しい」と明かす。このため清水市長は7月25日に岩槻区で開かれた「延伸実現市民協議会」の総会で補助金適用に向け、国に償還期間の要件緩和を求める方針を示した。清水市長は７号線延伸について、12年度の事業着手を公約に掲げている。20日は要望書を民主党県連を通じて国に提出する。これまでにも要望してきた国の補助率拡大も内容に含めるが、国は今のところ補助率の拡大については認めていない。市議の一人は「償還期間の緩和も認められないと、12年度の事業着手の見通しは立たない」と話している。
＜地下鉄７号線＞　東京メトロの南北線と埼玉高速鉄道を結ぶ路線の総称。国の運輸政策審議会は2000年、同線の延伸について「蓮田駅まで15年までに開業することが望ましい」と答申。さらに０２年、県は浦和美園駅－岩槻駅間の７・３キロを先行整備区間とする方針を決定した。同線については、蓮田市などの８市町が1969年に誘致同盟会を結成し、羽生市まで延伸するよう運動を続けている。岩槻駅まで７号線が延伸されると、同駅から東京・六本木までの乗車時間は、従来の大宮駅経由より約１５分短縮され、約５０分となる。