埼玉みらいプラン

「富山激突Ｖ弾！７連勝！２１戦負けなし」スポーツ報知
http://hochi.yomiuri.co.jp/soccer/jleague/news/20130507-OHT1T00010.htm

　首位の大宮が広島をホームで２―１と下し、昨季からの連続負けなしのＪ１記録を２１試合に更新した。７連勝で勝ち点を２６とし、柏に敗れた２位・横浜Ｍに６差をつけた。１―１の後半３９分にＦＷ富山貴光（２２）が決勝点をマーク。その際に激突した広島ＧＫ増田卓也（２３）は脳しんとうで競技場から救急車で運ばれた。大分は本拠地で鳥栖に２―４と敗れ、今季開幕１０試合白星なしとなった。異様な光景に大観衆は声を失った。脳しんとうで横たわる２人はピクリともしない。まず大宮に決勝点をもたらしたＦＷ富山がかすかに腕を動かした。ホッとしたサポーターから声援が飛ぶ。ＮＡＣＫ５スタジアムの医療スタッフにより担架で運ばれた。まだ広島ＧＫ増田は動かない。試合中断は１５分に及び、救急車がピッチ内へ。担架で救急車に乗せられ、ピッチを後にした。後半３９分のゴールから２２分間中断。空は雷雨に変わり、異例のゲームは再開された。決勝点は闘志あふれるプレーから生まれた。ＧＫ北野のロングキックがワンバウンドでゴール前へ。広島ＤＦ水本が頭でＧＫに戻す瞬間を富山は狙っていた。広島ＧＫ増田も前へ出る。空中のボールに富山の頭が一瞬早く触れ、ゴールに送った。が、激しく頭部を打ち付けた２人は空中で意識を失い、受け身を取ることなく地面に叩きつけられた。富山が欲しかった今季３得点目は３月３０日の鹿島戦以来３７日ぶりだった。前日（５日）、同じ大卒新人のＤＦ今井にこぼしていた。「そろそろ（点を）取るわ」。今井は「いつになく気合が入っていた。本当に取りそうだなと思った」。ノヴァコヴィッチ、ズラタンの両ＦＷが好調でベンチの時間が増えても「少ない時間で結果を出せるように」と高い意識で練習に打ち込み、有言実行のゴールを生んだ。連続無敗のＪ１記録を２１試合に伸ばし、首位をキープ。チーム記録を更新する７連勝の立役者は検査の結果「脳しんとう、下顎の裂傷、顔面の打撲」ながら頭部や顔面に異常なしと診断され、その日のうちに自宅へ戻った。自身は「覚えていない」得点シーン。それでも、２２歳が魂で奪った一撃はホームに集まった過去最多１万３３６５人の胸にしっかり刻み込まれた。
◆富山貴光（とみやま・たかみつ）１９９０年１２月２６日、栃木市生まれ。２２歳。４歳でサッカーを始め、矢板中央高、早大を経て今季大宮入り。早大４年の全日本大学選手権で優勝とＭＶＰ。１０年にはＵ―２１代表としてアジア大会に出場。１８０ｃｍ、７３ｋｇ。家族は両親と姉。
◆Ｊリーグでの主な救急搬送
▽００年１１月７日・磐田―Ｆ東京戦　後半１８分にＦＷ高原直泰が相手ＤＦとヘディングで競り合った際に激突。左目の下を切り負傷退場、そのまま救急車で浜松市内の病院に運ばれた。検査の結果、左頬骨、左眼窩底、左眼窩内壁の骨折と診断。
▽０５年９月１７日・横浜Ｍ―Ｆ東京戦　後半ロスタイム３分過ぎ、空中での混戦でＦ東京のＦＷルーカスの側頭部と味方ＤＦジャーンの額が激突。両者とも一度は立ち上がったが、ルーカスが再び倒れて意識不明に。約１０分後に救急車がピッチに入って搬出。試合は再開後すぐに終了した。ルーカスは「脳しんとう及び頸椎捻挫」の診断。