犯罪被害者とマスメディアと視聴者、読者
気になること - 犯罪被害者とマスメディアと視聴者、読者 - 平成17年の刑法犯罪の認知件数は、2,269,293件。検挙件数が、649,503件。検挙率が28.6%。これでも前年より2.5%ほど、検挙率が上昇しております。(参考)平成17年の犯罪情勢 警察庁(PDF文書で160頁)http://www.npa.go.jp/toukei/seianki2/20060424.pdf 最近の犯罪は、広域化、低年齢が顕著になってきていると思います。いつ、自分、または身の回りに犯罪に合う人がでてくるかもしれませんが、「この検挙率がこんなに低いものか」と驚きます。100件の事件が発生して30件以内が解決し、あとは解決していない ということですから。 しかも、社会保険庁のように、国民年金未払い問題での分母減らしがありましたが、こちらも分母減らしが発生しているかもしれません。それでも30%以下です。 犯罪としてカウントしていない事件があるのでは と下司の勘繰りをしたくなります。(認知件数の削減?) 警察が検挙率をあげるのであれば、我々、一般人も捜査に協力することを惜しみませんが、情報提供料とかの些細な報酬制度があったりすると、かなりの情報が集まると思うのですが、考えが単純でしょうか。では、あなたのご意見は? 犯罪者の捜索、逮捕は警察しかできませんので、警察にまかせるにしても、犯罪被害者の問題が、ここにきて整備されてきております。 その理由は、犯罪被害者の会が結成され、マスメディアを含めて活動され、犯罪被害者等基本法ができたからだと思います。(参考)犯罪被害者等基本法(平成16年12月8日法律第161号)http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H16/H16HO161.html ここに一冊の本があります。「 <犯罪被害者>が報道を変える」(高橋シズヱ、河原理子 著)です。 この本は、4人の犯罪被害者(大阪教育大学付属池田小学校事件、世田谷一家殺人事件、山口県光市の母子殺人事件、中華航空機墜落事故)と、4人の記者そして著者2人の意見、考えが述べられており、ものすごく示唆に富んだ内容です。 報道といっても、放送(テレビ、ラジオ)、新聞(新聞社、通信社)、週刊誌等の雑誌と、各社メディア担当が殺到します。そして、心ない記者もいます。 しかし、犯罪被害者とマスメディアの方々が勉強会を通じて、お互いの立場を尊重しつつ、どうすれば犯罪被害者に心身ともにダメージをあたえずに活動していくか というのが真摯に語られております。具体的内容は、ここでは割愛しますが、私でさえ、「なるほど、そこまで配慮しないといけないのか」と思った次第です。 そう、この本では、もう一つの参加者が参加していません。それは、犯罪被害者、マスメディアの担当の方々以外に大事な、報道を受け取る立場の人です。また、近隣住民ということでマスコミの取材を受けることがあります。 直接の当事者ではない場合、人はマスコミの取材を受けるのには、テレビをみていてもそんなに抵抗はないように思えます。そして、自分の知っている情報を提供しているように思えます。でも、その行為が犯罪被害者に対して影響を与える場合もあります。(でも、全てを閉じてマスコミに話をしないで といっている訳ではありません。ご注意を) ですから、マスコミに取材を受ける我々も、また、新聞やテレビをみている我々も、一緒になって考えていかないといけないのかな と思っております。 そうですね、多少興味本意になることは致し方ないと思うのですが、そこから何かを得てほしいと思うのです。「あ、こんな事件なんだ」「この人が悪い」とかではなく、深い分析(する能力と)、深い洞察力というか、そして、豊かな感情が必要なのです。しかも、それを親子で共有するというのが理想ではないでしょうか。 マスコミにも事件によって報道内容が違います。ですから、私は、興味がある事件については、複数のメディアによって確認してみます。それらを充分認識し、あるメディアには取材拒否をするが、別のメディアには取材に応じる ということも考えられるのです。 今回の、この本は、被害者の置かれている立場や配慮しなければならないことに、本当に考えさせられました。犯罪被害者等基本法も直すところは直していかないといけないな とおもいました。 この法律に限らず、なんというのでしょう、法律の管理、運営というか、メンテナンスというか、そういうのを常に意識してもし、改正が必要なら一般人が理解できるようにプレゼンをしてもらい、そして、その内容によって自分の考えを述べあい、評決する というシステムもあってもいいのではないかな と思います。 いくら、既存のシステムである国会での法律制定や改訂、施行期間、官報への公告、等とかいっても法律の数がありすぎるので、全部をチェックできない状況に陥っていると思うのです。 この本は、一読をお勧めします。(8月6日)(出展場所)http://ameblo.jp/sakae2/entry-10015622616.html