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カテゴリ:日常の風音。
其の一。 母は昔から畑を作っている。 山の上の方だったこともあったが、今は近くの新興住宅地の間の畑を借りている。 田舎では、大抵の人が何かしらの自分の畑を持っている。 畑自体も貸し借りしあい、隣近所で採れた野菜を交換しあって、うまいこと回っている。 家を留守にしていても、帰ってくると玄関先に野菜が積み上げられている事がある。 母には、野菜の種類で、誰が置いて行ったかわかるのだ。 そして暗黙の了解のように母も畑の野菜を持っていき、玄関に積み重ねてくる。 (鍵なんてものは、気合を入れて出掛ける時しかかけないものだ。) 子供の頃、そんな御使いをよくさせられたもんだ。 子供心にも誰もいない家にズカズカと入るのは心苦しかったことを覚えている。 わたしったら、生まれも育ちも田舎であろうとも、心は現代人なのだ。 そうなんだ。。。 自分は・・・小さい頃からシャイな現代人だったんだ。。。 -------- 其の二。 畑で収穫の手伝いをしていると、近所のおばさんが近づいてくる。 『風ちゃんかい。いつ帰ってきたんだい?』 『枝豆もってくかい?』 母に確認すると、案の定うちの畑では作っていないらしい。 『自分で食べたいならもらっておいで。』っというオーラを発していた。 昨夜、大量の枝豆を食した私だが、 こんなことを言われて断る勇気は私には無い。 『おばちゃん、もらってくわ。』 『食べるだけ自分でもいでくよ。』 っと、調子のいい事を言い、おばちゃんの枝豆畑に向かった。 そんなにいらないのに、おばちゃんはずんずん枝豆を引き抜いていく。 山のように枝豆の木を抱えて母の元に戻った。 ・・・・。 その夜。 ビールのつまみと称し、大量の枝豆を食べることになったのは言うまでも無い・・・。 田舎では、遠慮は無用だが、NOといえる強さも必要だ。 -------- 其の三。 畑の多い田舎町であるが、最近畑にサルが出没するらしい。 こんなところにもサルがいるんだと驚いた。 田舎とはいえ、いちおう市内なので住宅も多い。 ぐるりと山に囲まれているが、人里に下りて来るほどサルも追い詰められているのか。。。 こんな山だらけなのに開発が進んでいるからなのか。 っというか・・・ 田舎田舎と連呼している私だが、それほど田舎だとは思っていなかったのか。。。 近くにサルが住んでいるという事実にショックを隠しきれなかった。。。 本当に田舎だったようです。。。 っというか・・・ タヌキやクマの出没情報には慣れているのに・・・。 私のサルに対する概念がちょっとおかしいことに気がついた。 -------- 畑ひとつでいろんな自分が見えてしまった。 やられた・・・。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005.08.19 05:49:26
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