「想いは幻想か」
出会いから7年目の冬、クララとシューマンの愛は深まるばかりだった。
「あなたが初めてキスなさった時、私は気を失うかと思いました。」
・・・クララ・ヴィーク・・・
しかし、クララの父ヴィークは2人の交際に大反対。
天才ピアニストの評判が高まるばかりのクララは16歳。
一方シューマンは25歳の無名作曲家。
年が開け2人は会うことを禁じられてしまいます。
つのるばかりの気持ちと、全く逢えない日々。
心のうちをぶつけるかのように大曲を書き上げるシューマンでした。
今日の曲は
「幻想小曲集」
ハ長調 第1楽章
◆GH91 シューマン楽譜 幻想小曲集【ヘンレ版】
1836-38年(26-28歳)の作品。
冒頭に「どこまでも幻想的に、そして情熱的に演奏する事」 形式に縛られない即興性溢れる作品。
自ら「幻想曲」と名付けました。
左手はうねるような動きが繰り返され、右手はクララをイメージした旋律を奏でる。
ロマン派の思想家シューレーゲルの詩
「色鮮やかな大地の夢の中 あらゆる音を貫いて 耳をそばだてる人に静かな音が響いてくる。
静かな音とは君の事です。」
2人の交際に反対する声がどんなに高まろうともクララへの想いが幻想を膨らませ
この上ないロマンチックな曲を生み出しました。
この日のピアニストは小菅優さんでした。
小菅さんと言えばモーツァルトのイメージが濃かったのですが、シューマンも素敵に演奏されていました。
「これでもか、これでもか・・と同じ繰り返しでしつこいけど、いつもメッセージがある。
人間の強さと彼の温かみを感じ、そこが自分の家族のように感じるところ」と語っていました。
小菅さんはとても素直な方で飾らない表現がとても好感をもてます(*゚ー゚*)ポッ
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