「決意のプロポーズ」
1837年8月、クララはライプチヒでピアノ独奏会を開きました。
選んだ曲はシューマンのソナタと交響的練習曲。
父ヴィークがシューマンとの交際を禁じて1年半、賭けとも言える選曲でした。
その夜、シューマンは心を決してプロポーズの手紙を書きます。
「私たちが行動すればきっとその通りになります。」
2日後人づてにクララからの返事がありました。
「恋する心は危険を恐れません。ですから“はい”と申し上げます。」
2人で生きていく勇気を得たシューマン
クララは演奏会でシューマンの曲を演奏した理由を
「あなたへの思いを示す方法が他になかったのです」と書いています。
父の心配を理解していたが、思いを断つことはできなかった。
クララ18歳、若さ溢れる大胆な行動がシューマンにプロポーズを決意させた。
今日の曲は
「幻想小曲集」
第1曲「夕べに」、第2曲「飛翔」
27歳の作品。
8曲からなりそれぞれに詩的な標題がついています。
「夕べに」
静かな薄暮れを思わせる曲。
“きわめて内面的に演奏する事”と楽譜に書いたシューマン。
「飛翔」
“きわめて急速に”と書かれたこの曲は、第1曲とは対照的な力強い曲想。
シューマンとクララは人づてに手紙を交換していたが
友人へ感謝の気持ちを込めてこの曲集の草稿を贈っています。
「心はなれがたい友へ」ローベルト・シューマン
「気恥ずかしいけれど愛情とともに」クララ・ヴィーク
2人の署名が書かれていました。
←ポチッとお願いします♪