「天才の猛練習」
コンサートツアーに明け暮れていたリストは、いつでもどこでも練習できるピアノを特注します。
木製のピアノで長さ1メートルあまり。
指を鍛えるため象牙貼りの鍵盤より遥かに重く、音は出ません。
ピアノを習い始めた6歳のとき、並外れた才能はすぐに評判となり
9歳の時にはウイーンでヨーロッパ最高のピアノ教師ツェルニーと出会います。
ツェルニーはリストの才能に感激しレッスン料は一切取らず教えました。
「こんなに熱心で天賦の才能に恵まれた勤勉な弟子を持ったことは無かった。」
ツェルニーは2年間に渡りリストを鍛えました。
パリに移り修行を続けたリストは、サロンから引っ張りだこになります。
しかし1832年4月20日21歳のリストは初めてパガニーニを聴きます。
「何というバイオリン、何という芸術家」
「あの4本の弦にどれだけの苦悩が込められているのか」
パガニーニの表現力に打ちのめされたリストは、自分のピアノでは駄目だと再び猛練習を始めます。
「今度会うとき僕が練習のあまり気がおかしくなっていなければ時代が求める芸術家になっているでしょう」
猛練習の末に高度な技術と表現力を身につけ、技巧を駆使した即興性の高い曲はパリの音楽サロンで絶大な人気を得ました。
「ピアノでは不可能と思われていた表現を次々と実現した」とベルリオーズは評しました。
猛練習に励んだピアノのパガニーニが誕生します。
「技巧は機械的な練習からではなく精神から生まれる」
今日の曲は
「パガニーニによる超絶技巧練習曲」
第3曲「鐘」(ラ・カンパネラ)
リスト集(3)
パガニーニのバイオリン協奏曲を元に書き上げた超絶技巧練習曲。
原曲は「バイオリン協奏曲第2番第3楽章」のラ・カンパネラの旋律を元に作り上げました。
イタリア語で「小さな鐘」の意味を持つ最も有名なリストのピアノ曲。
楽譜を見なくてもとても難しい曲だとすぐに分かる曲ですね。
難しい曲は弾けないと思いますが、ラ・カンパネラだけは何故か好き。
フジコさんの弾く手がとても優しくそして素敵です。
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