ルガー、じゃないよ
ネタがないときの小ネタ劇場w銃器にあまり詳しくない方でも”ルガー”と”ワルサー”はよく知ってると思います。特に通称”ルガーP08”という拳銃は現在の自動拳銃の基礎を作った拳銃として知られていますがこれは間違い。実はこの前に同じドイツで”ボルヒャルトピストーレ(ボーチャードピストル)”という拳銃が作られておりこれが現在におけるまでの自動拳銃の基礎(ブローバック、もしくはガス圧でボルトを操作し次の弾を装填する)といわれています。さて、このボルヒャルトピストーレを改良したのが”ルガーP08”と言われていますが”ルガー”というのはこの拳銃の正式名称ではありません。この銃の正式名称は”パラベラム・ピストーレ(意訳:戦争用の銃)”と言います。”ルガー”という名称はアメリカがこの銃を輸入販売した際”パラベラム・ピストーレ”では言い難いので開発者の名をとって”ルガー”としたのが始まり。そんなわけで本当はアメリカだけの呼び名だったのですが言い易いので全世界に広まってしまったのです。(ところが”ルガー”が採用していた9mm拳銃用弾は使い勝手に優れていたため今日でも”パラベラム弾”としてその名を残しているというのはなんとも皮肉な話です)さて、ワルサーです。このワルサーも”P38”があまりにも有名ですが本国では”ヴァルター”と発音します。この会社の1番の功績は今日の安全装置のスタンダードである”デコッキング方式”を開発したこと。安全装置を働かせると引鉄をひいてもボルト(撃鉄)は弾を撃つことなく安全な位置で停止します。これが如何に安全であるかは今日のスタンダードな安全装置になって入ることからも実証済みです。ヴァルターというともう1つ”ヴァルターPPK”が有名ですがPPKとは”ポリザーレ・ピストーレ・クルツ”の略で意訳すると『警察用の銃改良型』。やはりパラベラム弾を使い装填数は8(デコッキングにより予め薬室に弾を装填しておくと9)このPPKはかのアドルフさんもお気に入りだったといわれ、自分のネームを入れて華麗に装飾されたPPKをいつも手元に置いていたとか。ちなみにベルリン陥落の時彼が自決に使ったのもこのPPKだと言われています。次はM1911とM92についてやりたいのですが、長くなりそうなのでまた後日ネタのないときに。