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シングル母のアメリカ暮らし

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2004.05.16
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カテゴリ:離婚生活
ちょっと古い映画だが、ジュリア・ロバーツとスーザン・サランドンが主演した「Step Mom」という映画がある。前に見たことはあるが図書館でビデオがあったので借りてきて見た。

内容はジュリア・ロバーツが二人の子持ち男と結婚して、子供たちも一緒に住むのだが、子供たちは一人で住んでいる母親(スーザン・サランドン)のところにも行く。行ったり来たりの生活の中でちょっとした敵対心が二人の女性同士の間であり、それがだんだんほぐれていって、最後には理解し合う、といった内容のものだ。

けっこう自分の状況に重ね合わせて見てしまった。自分にも今まさに同じようなことが起きようとしているのだ。元夫は離婚後すぐにさっさと再婚してしまっている。ただ相手は国外にいて、なかなか今のアメリカには入りにくいので自国で足止めをくっている。混乱を防ぐため子供たちにはまだダディの再婚を伝えていない。

彼女が来たら、子供たちはその相手ともいっしょに過ごすようになる。法律上はStep Momということになるのだろう。ただ私は元夫には「子供たちにとって、彼女はステップマムではなく、ダディの奥さんという立場でいてほしい。」と伝えてある。

映画上のスーザン・サランドンの気持ちがよくわかる。自分は若さをどんどん失っていくのに、相手は年若い奥さんをもらってハッピー気分でいるのだ。そういう自分の嫉妬心にも近いものをあからさまにさらけ出すことはできない。プライドがあるからだ。だからせめて私は母親である、というプライドまで傷つけられないように鎧で自分を覆う。相手の作った子供のランチをゴミ箱に捨てたり、相手の子供への対処の仕方を非難したり。すっごく嫌な女だな、と思うけど、私だって同じ事をやりかねない。(まあ食べ物は捨てないだろうな、私の場合)

実は元夫は私と彼女が友達になったらいいな、と密かに願っている。ふざけるな、と蹴りを入れたくなる。離婚のきっかけは奴なんだぞ。何を考えているのか、元夫。さてはお前も見たな、「Step Mom」。

そうなれたら本当はいいのだろう。でもそれほど私は物わかりのいい人間でもないし、離婚の傷だって完全には癒えていないのだ。今の私にそれを望むのは酷というものである。子供たちにとって何が一番いいのかは私も考えているつもりだ。だから夫や彼女の悪口を言うつもりはいない。子供たちが偶然ダディのオフィスで元夫と彼女のキスの写真を見てしまった、ダディは彼女とフランスのエッフェル塔に行ったんだよと、ぎゃあぎゃあ騒いだ時だって平然と「へえー」と笑い飛ばしたのだ。元夫のことはもう愛していないし、二人に対する嫉妬心というものも特にはないつもりだったけど、そういう事を聞かされて胸が痛むのも事実だ。でも今後子供たちを通していろいろな話を聞かされる事も覚悟している。

正直言って、離れていたって愛する人がいる元夫をうらやましく思う気持ちもある。ひとりで寂しい時、いろいろな事を思い出して悲しい時、何かすごくおもしろいことがあった時、隣にいてくれる人がいたらいいのかもって思うときもある。でも今の私には誰かをもう一度愛する勇気はないし、男の人に触れる事を考えただけでも吐き気がするようになってしまったのだから、とても無理。少なくとも当分はとても考えられない。

ダディがその人と再婚したらどう思う?って長男に聞いたら、しばらく考えたあと「ダディが幸せならそれでいいよ」と答えた。ちょっとびっくりした。ちょっと前までいやだと言っていたのだ。「じゃあ、ママが再婚したら?」と聞いたら「ママがうれしかったらオレもうれしいよ」と。「ママはね、3人で暮らすのが一番楽しいよ。だから結婚しないよ。」と言ったら、ちょっとほっとした顔をして「そう。」とにっこり笑った長男。その間ずっと話を聞きながら鼻をほじっていた次男。ママはこのふたりの男たちで十分幸せだ。


本日の献立:チキンカレー、ごはん、ソーセージとキャベツの炒め物、スイカ





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Last updated  2004.05.17 22:53:04
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