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カテゴリ:食べてばっかり
うちの長男は筋金入りの偏食だった。
「だった」というのは過去形で、今はもう過去の事として 水に流してやってもいいと思う。 偏食、いちおう卒業だ。いやっほう。 思えば長い道のりだった。 私は好き嫌いなく何でも食べる子に、 とは思わない。 少ないけれど、私にも苦手なものはある。 まずはバター。お菓子に入っている分にはかまわないが パンに塗ったり、料理に使ったりはめったにしない。 これは小学校に上がった頃からで、その前は大好きだった。 ちなみにマーガリンはもっとだめ。 それから羊肉。どうやって食べても苦手である。 美味しいと言われるレストランで 元夫の頼んだラムのグリルをつまんだ時もダメだった。 そして一般にでまわる粉チーズ。 パルメザンチーズそのものは大丈夫。 私の好き嫌いなんてそんなものだ。 でも誰にだって苦手な食品というのはあると思う。 だから子供に全部食べなさい、何でも食べなさいとは言わない。 言わないけど、何でもかんでも食わず嫌いというのは容認したくない。 そして子供の好き嫌いはこの食わず嫌いが実に多いのだ。 次男はかなり何でも食べる。 あまり食事で苦労した事はない。 問題は長男だ。 2歳までは何でも食べた長男が、 どんどん偏食になったのは、3歳の頃。 そして5、6歳まで偏食は続いた。 一時期は食べるものと言ったら、 白いごはん、白いパン、チーズ、たまご、バナナ。 これだけだった。 ここまでひどいのは全過程の2ヶ月くらいだったが、 2歳から5歳までの3年間は 野菜と名のつくものはほとんど食べない。 気が向くとブロッコリーとトマトは食べたが 後はいっさい受け付けない。 口に入れようとすると、涙目になり、 両手で必死に口を押さえて食べないぞという意思を全身で表明したのだ。 ここまで拒絶されるともともと底意地の悪い私は 何とかして食べさせようと躍起になった。 例えば、バナナといちごのミルクセーキにこっそり人参ジュースを混ぜる。 騙されて飲む長男を見て勝利に酔いしれた母は、次の日も同じ事をする。 芸がないなとは思いながら、再び飲み干す長男を見てほくそ笑む。 3日目に量を増やしてみたところ、さすがの長男も、 何か良からぬものが入っているのを悟ったらしく、拒絶した。 頭に血をのぼらせながら、力任せに飲み干した人参ミルクセーキの味は 一生忘れられない。(だってまずかったんだもん) カレーにも混ぜ込んでみたが、カレー自体好きじゃなかったので失敗。 チャーハンなどの混ざり物は見ただけで食べない。 では直球勝負だ、と野菜にマヨネーズをてんこもりにして にっこり笑って差し出すと、マヨネーズだけぺろっとなめた。 母の血圧は日々上がるばかりだった。 とにかく偏食との長い戦いは果てしなく続いたのだ。 ところがキンダーガーテンに入り、 毎日先生が「健康スナック」を作ってくれると聞いた。 (詳しくはこちら) メニューを聞いて、げんなりした。 「食うわけないな、そりゃ。」と思った。 ところが1ヶ月くらいたったある日、先生と話しておどろいた。 この1週間ほどは少しずつ口に入れているというのである。 やはり集団生活というものは有り難い。 だからといって家で同じものを食べてはくれなかったが、 とにかく口にするようになっただけでもほっとした。 あれから3年、食べられる野菜も少しずつ増え、 あまり好きではなかった肉類も口にするようになり、 白いごはん、パンのみでなく、玄米や全粒粉パンなども食べるようになった。 最近はどうしても食べられなかったトマト以外の生野菜 (レタスやきゅうりなど)まで口にするようになったのである。 彼らは金曜日は父親のところに行く。 再婚はしたものの、ビザの関係でまだ新妻が来れない元夫、 一人暮らしで料理はまったくしない。 夕べはデニーズ、今朝はシリアル、お昼はマクドナルドと いつもそんな調子である。 だから土曜の夜はなるべくジャンクではないものを食べさせたい。 今日は一日ボランティアのペンキ塗りをしていたので ごはんの支度は簡単にすませたかったし、焼きそばにした。 ところが野菜を刻んでいるうちに、どうやら「そば入り野菜炒め」 のようになってしまった。 さすがにここまで野菜が多いと残すかなと思ったら、 空腹だったのか、ふたりとも完食した。 もう大丈夫だ。 長男から「偏食野郎」の汚名は取り除いてやろう。 長い戦いはもう終わりだ。 今、小さいお子さんの偏食でお悩みのお母さん、 小学校に上がる頃にはだいぶ改善されると言われますが 周りの子を見ててもなるほどと思います。 そうでなくても大きくなるにつれてどんどん変わってくると思います。 大丈夫、うちの超偏食児もかなり良くなりました。 安心してね。 本日の献立: 五目やきそば、煮豆の残り、白桃 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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