ミステリの部屋

2005/10/29(土)19:18

赤い鳥は館に帰る:有栖川有栖

ミステリ関連(58)

有栖川有栖さんがデビューしてからこれまでにたまったエッセイやコラムの四割ほどをまとめたもので、書名は、本に収録した一文の題名から取られています。 次の四つの章から成っています。 ミステリ(Alice in Mysteryland 時事(Alice in Real World) カンサイ(Alice in Kansai) 日々(Alice in Daily Life) 時事問題や、新聞の紙面批評などの硬いものから、ミステリのこと、日々のこと、そして大阪のことまで、優しく読みやすい文章で書かれています。 テーマは様々でも、一貫して論理的で、しかも文章が美しい。 しかし、有栖川さんは、微笑ましいくらい大阪が好きなんですね。 初めて「月光ゲーム Yの悲劇'88」を読んだ時、日本にもこんなミステリを書く人がいたんだ、と嬉しくて、事あるごとに「有栖川有栖っていう面白い作家を見つけたよ。」と言いまわっていました。 あれから何年が過ぎたのか。 国名シリーズも面白いけれど、作家アリスも好きだけれど、学生アリスの3作に比べると、どうしても物足りない思いがあります。 「有栖の乱読」や「有栖川有栖の密室大図鑑 」などのエッセイも面白いけど、小説が読みたいと思います。 最近はどうしてファンなのか聞かれても、はっきりと答えられなくなってきました。 それでもやっぱり好きなんですよね。 この本の中に讀賣新聞の夕刊に二週間ほど連載したコラムがあります。 コラムなのに、仕掛けがあるんです。 面白すぎです。リアルタイムで読みたかったと思います。 こういうところがとっても好きです。  赤い鳥は館に帰る : 有栖川有栖川

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