2006/09/24(日)22:46
鮮明化した主張の相違
自民党の北海道ブロック大会が8月31日、札幌市内のホテルで開かれ、安倍晋三官房長官、谷垣禎一財務相、麻生太郎外相が憲法改正などをめぐり論戦を交わした。安倍、麻生両氏は改正への意欲や歳出削減優先で歩調を合わせ、谷垣氏との違いが改めて鮮明になった。
9月1日に出馬を正式に表明する安倍氏は、憲法改正を「政治スケジュールにのせていくリーダーシップを発揮しなければならない」と強調。麻生氏も「国民投票法案をまず成立させなければいけない。機は熟しつつある」と述べた。谷垣氏は「相当なエネルギーをかけ手順を踏まなければいけない。機が熟したというところまで進んでいない」と異論を唱えた。
安倍氏は、首相の靖国神社参拝を理由に首脳会談に応じない中国の姿勢を重ねて批判し、麻生氏も「靖国だけが問題というのにはくみしない」と主張。両氏は、谷垣氏の消費税引き上げ率の明示を時期尚早だと批判し、経済成長や歳出削減に力を注ぐべきだと訴えた。
麻生氏は地域の特性を生かした産業活性化などを訴えたが、憲法、財政、社会保障の主要課題における基本路線は安倍氏と重複。「途絶えている日中外相会談をもちかけ、4回ぐらい行った」と、外相としての実績を訴えたものの、独自色を打ち出しきれなかった。
安倍氏はこの日、札幌市内での会合で、出馬表明に先立ち「わたしは戦後生まれだが、その世代のトップバッターとしてしっかり責任を担っていく」と決意を表明した。