三一太福

2007/08/14(火)18:10

谷垣、福田両氏の入閣求める

政局(28)

 自民党の森喜朗元首相は8月12日、民放の報道番組で、27日に予定されている内閣改造・自民党役員人事に関連し「党の中で主流だ、反主流だと言っている状況ではない。(安倍晋三首相は)受ける受けないは別として、福田康夫元官房長官と谷垣禎一前財務相に十分礼を尽くすべきだ」と述べ、挙党体制構築に向けて谷垣氏と福田氏に入閣を求めるべきだとの考えを示した。  森氏はさらに麻生太郎外相について「私と麻生さんは政策の大きな転換が必要だという認識で一致している」と評価し、幹事長への起用を容認。去就が注目される塩崎恭久官房長官については「東大、ハーバード大(卒業)だけでは国会運営はできない」として、交代すべきだとの考えを示した。後任の官房長官には福田氏を候補者として挙げた。辞任を表明している中川秀直幹事長については、「もういっぺん汗をかくようなところがいい。国対(委員長)なんかもおもしろい」と語った。  私も森氏と同感だ。総裁選で戦った谷垣氏を重要ポストに据えることで、「仲良し内閣」から脱却できる。それに今の安倍内閣には谷垣派の閣僚がゼロだ。安倍首相は増税を容認しているのだから、谷垣氏を再び財務相に起用してもいいだろう。ただ谷垣氏は小泉内閣で3年も財務相を務めていたから、別の閣僚という可能性もある。外相なんてどうだろう。現職の麻生外相の幹事長就任が濃厚なのだから、間違いなく交代するはずだ。ただ、首相の座を狙う谷垣氏は、党三役の経験がない。党三役への起用も選択肢のひとつだろう。  福田氏に関しては、確かに官房長官など重要ポストを与えることは必要だと思う。だが、安倍・福田両氏は同じ派閥出身ながら主張は大きく異なる。仮に官房長官に起用すると、かえって政権運営が行き詰まるのではないかと危惧している。せいぜい外相への起用が妥当といったところか。福田氏は外交畑を歩んでおり、外務省にも強い影響力を保持している。小泉内閣当時、官房長官を務めていた福田氏は、外務省が機能停止に陥った際、事実上の外相として陣頭指揮にあたった。そして小泉純一郎首相に、田中眞紀子外相の更迭を強く迫り、成功したのだった。さらに、マスコミに「影の外相」と名付けられたほどだ。福田氏自身、最もやりたいのは外相かも知れない。

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