国民年金は納めたほうがいいのでしょうか?
静岡のスキー仲間からメールが届きました。なお、本日は、誠に勝手ながら、労働基準法の物語は休講させていただきます。====================================≪ご質問内容≫国民年金は納めたほうがいいのでしょうか?私らが年金をもらうようになった頃には、かなり長生きしないと、元が取れないような感じなのですが…一応は、毎月年金払っていますが、不安です。私の周りでも、払ってない人はけっこう居ます。====================================というものです。30代中盤ですので、年金年齢までは、まだまだあります。ごもっともな、お話です。≪お答え≫皆様も、関心がおありでしょうから、ブログを通じてお答えさせていただきます。≪何年で、元が取れるか?≫現在の国民年金保険料は、月々14,100円。老齢基礎年金は、一月保険料を掛ける毎に、年額1,650.2083333…円。あくまで、現在の価格ですが。さて、お分かりになりますか?14,100円 ÷ 1,650.2083333…円 = 8.5443757…8年半ちょっとで、元が取れる計算です。う~ん。どうも、よく分かんない。ごもっともです。それでは、これではどうでしょうか?仮に、保険料が14,100円で、ずっと変わらなければ、20歳から60歳になるまで40年ですから、総額で、14,100円 × 12ヶ月 × 40年 = 6,768,000円支払うことになります。(保険料は、想定される物価変動等諸要素に大幅な変動がなければ、毎年度280円ずつ上がってゆき、平成29年度には月16,900円で固定されることになっています。今年度は、本当は14,140円になるはずでしたが…)年金は、40年間保険料を支払い続けると満額となり、年額792,100円(今年度価格)となります。1,650.2083333…円 × 12ヶ月 × 40年 = 792,000円そうしますと、6,768,000円 ÷ 792,000円 = 8.5443757…それぞれ、480(12ヶ月 × 40年)が掛けられていますので、同じですよね。老齢基礎年金は、65歳からもらえますので、73歳半くらいで、元が取れる計算です。そうしますと、平均寿命(*)よりは、かなり早く元が取れる計算ですよね。*(男性:78.53歳 女性:85.49歳 平成17年度簡易生命表)≪国庫負担≫また、現在、年金の3分の1 + αは国庫負担です。税金を投入しています。ということは、年金をもらわないとすると、この額を放棄してしまうことになってしまいます。平成21年度には、この国庫負担が2分の1となります。そんなわけです。少子高齢化がこのまま進展すれば、確かに、8年半で元が取れる保障はありません。おそらく、将来的には、平均寿命あたりが、損益分岐点になると、思われます。≪長生きリスク≫しかし、仮に85歳まで生きたとします。65歳の人の平均余命(*)は、この辺りとなります。*(男性:83.11歳 女性:88.16歳 平成17年度簡易生命表)老夫婦二人で、年間300万円、生活費がかかるとします。65歳から85歳まで、20年間では6,000万円かかる事になります。もし、年金がなければ…みなさん、現役時代に、6,000万円預貯金しておかなければなりません。一昔前の高金利時代は、10年貯金すれば、倍になりましたよね。でも、これからは、そういった時代に戻ることは、ないかも知れません。(というより、ないでしょう。)≪年金と生命保険 どっちがお得?≫国の年金は、いずれ破綻する。生命保険のほうが、安全・お得とお考えの皆様。果たして、そうでしょうか?国の年金が破綻するときは、生命保険も、とうに破綻しているでしょう。マスコミに、翻弄されないように願います。年金をベースに置き、生保・簡保等を上乗せとして、考えた方がいいでしょう。≪結論≫さて、どうでしょうか?あとは、ご自身でご判断いただきたい、と思います。別に、年金の宣伝ではありませんので、ご容赦ください。≪おまけ≫また、国民年金には、老齢年金の他、同じ保険料で、障害年金と遺族年金がセットされていますので、万が一の場合でも安心です。(詳細は、割愛させていただきますが…)≪なんでぇ?≫でも、ブログを開設したこと、伝えてなかったのに、なんで、おせっかい親父が私だってこと、分かったんだろう?