カテゴリ:経済
ワーキングプア 解決への道(4) NHKスペシャル「ワーキングプア」取材班 実は「ワーキングプア」の問題は、日本だけの問題ではない。日本よりも早く構造改革や規制緩和を推し進めた欧米の国では、すでに1980年代から健在化し、「ワーキングプア」という言葉も、その頃から使われていた。それが今、経済のグローバル化とともに、日本をはじめとする各国にも飛び火しているのだ。 模索する現場 ~日本 日本のワーキングプア対策を探して 最後のセーフティネット 生活保護 働くことと、生活保護による所得保障を受けることは、どちらかしか選べないものではない。むしろ社会保障の役割から見れば、この二つを両立させるのはごく当然のことだ。こうした基本原則に立った上で、さらに貧困の本質にまで踏み込んでいこうというのが、釧路市の取り組みだった。 「排除される人たち」を社会に取り戻す ワーキングプア生活の末に生活保護の受給に至った人の中には、心身の不調で働けない人や、社会とのつながりさえ失ってしまった人もいる。こうした人にはいきなり就職を急がすのではなく、まずはボランティア活動から始めてもらう。これを釧路市では「中間的就労」と呼んでいる。人の役に立つような活動を通して「やりがい」や「地域社会とのつながり」を取り戻してもらおうというのだ。ボランティアの受け入れは、市内のNPOが担う。 働きたいけれども職がない。あるいは働いても収入が低くて生活できない人に対しては、所得保障とともに資格取得や職業訓練の支援を行って、より条件のいい仕事に就くための手助けをする。ボランティア活動を経験した人たちが、このステップに進むことも多い。 就職先も、まずは短時間のパートでもいいという考えだ。収入が足りない分は生活保護で補う。パートなら徐々に勤務時間を増やす。あるいはパートから正社員になるというように、ステップを徐々に上がっていって、その人のペースで自立を目指し、その間の最低限の所得保障はしっかり行う。この考え方が、釧路市の自立支援プログラムの肝である。 このプログラムが始まってから、収入の増加を理由に生活保護の受給を終える世帯が急増している。プログラム導入前の2002年度には62世帯に過ぎなかったが、2006年度には約二百世帯と、3倍を超えた。つまり、経済的にワーキングプアの状態から脱出できる人が増えたということだ。 市民が受け入れる社会的包摂の思想 立ちはだかる限界 自立支援プログラムの導入を一層推進とは、一体何を指すのか。 本当の自立を目指して 「でも前向きに、人生お金じゃない。お金がなくても楽しく、夢を追いかけてみせます。私を見守ってくれたり存在を認めてくれたりする人がいる限り、私は存在していきます。頑張れば報われるという保証はない。でもどれだけそこを乗り越えて、楽しめるかが人生かな。つらい時は泣いて、そして笑える人生でいたい。ワーキングプアでも」 「私の人生にはいろんなことが起こる。でも乗り越えます。絶対に、太陽といつもでも幸せでいます」 つながっているすべての人にありがとうございます! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年04月21日 20時56分34秒
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