秋のインフルエンザパンデミックへの備え
毎週データチェックするものの中にこの新型インフルエンザの発生数が入ってしまった。5月中の第1期、6月初旬から中旬にかけての第二期の山が終息に向かいつつあるのだろうか。それにしてもなぜこの夏に向けての時期にこの流行が継続するのだろうかという疑問は残る。やっと少し分かり易い説明に出会えたのがIDSCの6月26日の流行状況の更新11であった「インフルエンザの流行期でないときに外から導入されると大抵の場合、そのまま流行につながらず一度、播種期に入る。SEEDINGの期間である。輸入されたウィルスは人から人へ細々と感染の伝播を続けていく。その感染伝搬の鎖は甚だ細い。人前に顕在しない程度のものである。しかし、そのことによって患者はあちらこちらに発生し、さらに感染を拡大していく。くすぶり流行(SMOLDERING EPODEMICS)である。そして、それが、やがて時期が来ると顕性流行に発展していく。8月、9月はこのくすぶり流行の期間で10月に入って流行は顕性化の傾向をとったというのである。」やや長くなったけれどこの引用はまさに今、静かに日本の全国に拡散していき、秋にはという展開を示唆し、これに備えるというものである。既に、全数調査の終了が7月中旬とされ、今後はクラスターサーベイランス(集団発生からpCR検査陽性者のみ患者で、残りは疑似患者)そしてウィルスサーベイランスの定点型が行われ、ウィルスの世代、変容がチェックされる仕組みとなる。なんか統計で言う第二種の誤りがあり得ることへの懸念もあるが、むしろ第四種の誤りとも言われる「正しい問題を解くのに時間がかかりすぎる」という課題への回答にはなっているはずである。(6月26日付け厚労省資料より)