政府が市場に介入するとき
ビッグ3への救済法案が米国議会で否決されホワイトハウスがあわてて支えの発表をしている。税金で自動車会社を救済するなんて、自家用ジェット売ってもだめだったんだ。まぁそうだろうな。そろそろ今年の一冊をなんか選ぼうかなと思ってはいるのだけれど、なんかいっこうに決まらないうちに、次から次へと手が伸びる悪い癖がある。乱読型なんだなやっぱり。今読んでいるのはキンドルバーガーの大恐慌の話。かなりむかしに読んだ記憶があるのだけれど、全く忘れた。むしろ一緒に読んだガルブレイスの方がチューリップバブルの話として面白かったような気がする位である。大恐慌の原因がマネーサプライの急激な減少と大恐慌後にも充分なマネーサプライがなかったからだというフリードマンのマネタリストの説がはやっていた後ぐらいだったから余計印象がないのかな。それでもキンドルバーガーの国際経済学という教科書みたいなのは大好きな一冊だった。とにかくこの人が書いた本は読みやすく、そして満足できるのだ。へたな僕の紹介よりもやはりSometime in the next five years you may kick yourself for not reading and re-reading Kindleberger’s Manias, Panics, and Crashes." Paul A. Samuelson, Institute Professor Emeritus, Massachusetts Institute of Technology こっちの帯書評ほうがやはりうまい紹介ですね。なんとなく気になってしまうのはぼくだけじゃないってこと。時代は変わり、中央銀行が前提にするのはフローだけでなくストックの資産価格までもがターゲットになるだろうけど。規制の有無で分断されていた市場が一緒くたにリスクの積み上げの傘の中にはいってしまい破綻、やや余剰気味にあれば問題ないよねのテイラールールが暗黙に前提されていてもやはり中央銀行の金融技術楽観主義の罪は軽くない。グリーンスパンの自叙伝も読まなくてはだめかな。それにいつからあれほど強硬な規制緩和の旗頭でクリントン政権の財務長官だったサマーズは宗旨替えしたんだろうかな。学問の宗旨替えは社会主義の現実を見た人がマルクスから近代経済学に転んだ人がいたけれど、今の時代は政府の市場に対する規制や介入スタンスによる程度だろうけど。様々な人間くさい側面が顔をだす。まだまだ続いていく今回の金融危機は。