清水馨八郎 『裏切りの世界史』
【Amazonで購入】 【楽天ブックスで購入】“裏切りの世界史”評価:★★★☆☆ 白人の傲慢さ・狡猾さ、そういうのを暴いたところは非常に価値があるしおもしろい。目から鱗の新・世界史だと思う。知らず知らずのうちに、そうとは意識することもなく白人スタンダードが染みついていることに気づかされる。慧眼の書と言えるだろう。ただ、全体としてはこの本の説得力はそう高くはない。というのは、首肯せずにはいられないような素晴らしい論理もありながら、その反面、思わず首をひねってしまうような牽強付会の説もちらほらと散見されるからだ。感情的で論拠が曖昧。日本を愛するがあまり突っ走ってしまったような感じ。そういう箇所がところどころ出てくる。そういう箇所がこの本全体の価値を下げてしまっているように感じる。日本が素晴らしい国で、世界に誇れる国であることに異論はない。ただ、日本を愛するあまりちょっと盲目的に日本を主張しすぎるのはいただけない。日本では英語が通じないことを、遅れていると非難する白人たちに憤慨する気持ちはわかる。私もそう思う。日本に来たら日本語を話せ!と。ただ、だからと言って英語はしょうもない言語で日本語が素晴らしい言語なんだと、英語と比較して優越性を唱えるのにも疑問符がつく。他(英語)を劣ると非難し、自(日本語)を素晴らしいと言ってそれを世界共通語にまで押し上げようなどいう主張は、結局は白人優位主義と通底している。そこに筆者が自家撞着に陥っていることを感じずにはいられない。・・・と、納得できない部分も多くあったが、素晴らしいところもそれと同じくらいにあったので、読んでよかったと思う(o^∇^o)=== 9冊目 読了 === ← ランキング参加中デス♪よろしければポチッとお願いします★