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本の足跡

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2007年03月04日
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カテゴリ:な行 男性

被害者は誰

“被害者は誰?”

評価:★★★★☆

 

連作ミステリー短編集。全4話。

主人公は、容姿端麗・頭脳明晰、そして売れっ子ミステリー作家でもある・・・人を先輩に持つしがない警視庁刑事。刑事が束になっても解決できない事件を、先輩はいとも簡単に解決してしまう。そう、彼は安楽椅子探偵なのです!!

設定はよくあるアームチェアディテクティブもの。それなのにおもしろい。それはなぜか?貫井さんの作品で、今までユーモア要素はほとんどなかったのに、これはユーモアたっぷりだったから。その意外性に完璧にKOされちゃいました(笑)

貫井さんって、変幻自在の作家さんだなぁ~。ある時は本格ミステリ。ある時はユーモア短編。また、おどろおどろしい作品のときもあれば、この作品のように軽いよみもの書いてみたり。そのギャップが癖になる。

今回特におもしろかったのは、最後の『名探偵は誰?』ですね。ミステリーってたいていは短編だとやっぱり長編より劣ってしまいがちなんですけど、これはすんごい。綾辻行人さんの『迷路館の殺人』に似たものがあり、すっかり騙された!!思わず笑いがもれてしまったもんね(笑)

いや~貫井さんって、私の中ではすごい。まず『慟哭』で思いっきりガツンときて、そんでその後はしばらく???って作品が続き、そしてまたストライクゾーンにずばっとくる。たまにでっかい当たりがくるので、たとえ外れが続いても、「もしかしたらまたあのガツンってのがくるかも」って期待して読んでしまう。そしてその期待は外れない。

なか×2の商売上手ですな(笑)(まっこれは私の主観です。中には全部おもしろいって人もいるだろうし、その逆も然り。)






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最終更新日  2007年03月04日 13時05分37秒
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