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テーマ:本日の1冊(3697)
カテゴリ:は行 男性
評価:★★★★★
ミステリー長編。 --- 梗概 ------------- 不遇な家庭環境にもめげず、苦心惨憺して手に入れたエリート人生。順調に進む仕事。それに拍車をかけるように、自分の会社の社長令嬢との結婚の話が浮上した。全てが順調に進んでいるようにみえた末永拓也。しかし、遊び相手である会社の同僚の康子が妊娠したと言い出し、彼の順風満帆の人生に暗雲が立ちこめ始める。自分の人生の障害となるものはいかなるものであっても取り除かなければならない。康子を殺すしかないのだ。拓也と利害が一致した男があと二人。三人で康子を殺す計画を立てる。計画は完璧であり、三人全員に堅牢なアリバイを与えることができるものだった。そして計画は実行に移された。途中までは完璧にみえた計画だったが、途中でとんでもない齟齬をきたし、それはやがて当初は予想もしなかった殺人事件へと発展する・・・!! ---------------------- くるくるくる・・・めまぐるしく変化する事件の真相。当初は三人による一人の女の殺害計画のはずが事態は予想だにしない方向へと転がり始めるのです。 一体誰が犯人なのか?その目的は?全くわからないまま、ストーリーの進行とともに徐々に何層にも重なったベールが捲られて行くのです。ドキドキします。最後の最後まで犯人はわからない。途中で「これちゃんとタネ明かしできるだけページあるのか?」と要らぬ心配してしまうほど、ほんとにギリギリまで真相はわかりませんっ!! これぞミステリーという感じ。登場人物各々の思惑が絡み合い、それが重なり合って、複雑な層を織りなす。その層を慎重にちょっとずつ剥いでいき、やがて真相に肉薄していく。 いや~すばらしい。刑事視点、末永拓也視点・・・それぞれが持つ情報で真相を明らかにしようとするのが手に汗握ります。末永が持っていても刑事が知らない情報があって、末永はそちらから真実にアプローチする。刑事は末永の完璧なアリバイを崩そうと奔走する。そして、また別の視点もでてきて・・・とにかく読ませます!! ミステリー性もさることながら、ストーリーはとても含蓄がありますね。機械絶対主義のようなものへの警鐘といいましょうか。人間は機械は、コンピュータは絶対間違わないと思ってる。でも機械を使うのは、コンピュータをプログラミングしているのは人間だということを忘れてはいけないんですよね。 機械盲信ゆえのヒューマンエラーが深刻な事故につながったなんて例もよくあるわけで。 ちなみに、ラストはバッドエンディングだったりします。私はバッドエンディングはあまり好きではないのですが、この作品に限っては、このラストでよかったと素直に納得できましたね~。 ん~どういう角度で読んでおもしろい(*^m^*) 東野圭吾作品は全作制覇しますよ~♪(文庫になっているものは99%揃ってますので、後は読むのみなんですが、如何せん時間が・・・(笑)気長にいきますね~。) === 219冊目 読了 === お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007年11月22日 18時50分43秒
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