2010/01/18(月)00:41
ハッピーフライト (2008/日本)
機長昇格への最終訓練フライトに臨む副操縦士、その試験教官として同乗する厳格な機長。
国際線のデビューフライトで戦々恐々の新人CA、CA泣かせの鬼チーフパーサー。
クレーム対応に追われるグランドスタッフ。離陸時刻が迫り必死にメンテナンスする若手整備士。
オペレーション・ディレクター、ディスパッチャー、管制官、バードパトロール…。
いろんなスタッフ達に支えられ、ホノルル便は無事定刻に離陸し、安全運航のはずだったが・・・。
物語は”1機の飛行機を無事に飛ばす”というだけ。本当にそれだけ。
爆弾は仕掛けられないし、テロリストによるハイジャックも起きない。
要するにこの映画は壮大な「はたらくおじさん」なのだ。ところが、これが抜群に面白い!
飛行機を1機無事に飛ばすのに、どれだけの人が関わっていて、どんな仕事をしているのか、
その仕事の中でどんな工夫や規則が取り入れられ、どんな努力をしているのか。
飛行機の運航を裏で支える多種多様なスタッフの働きぶりに引き込まれていく。
普通なら「お前らこんなこと知らなかっただろう」と言わんばかりの過剰な演出をしたくなるが、
なんと贅沢にもそのネタの数々をさらりとテンポよく流してく。この演出が気持ちいい。
『ウォーターボーイズ』や『スウィングガールズ』の矢口監督らしく笑いも当然忘れないが、
「はたらくおじさん」とのバランスを考えてか、コメディ要素はやや控えめ。
個人的にはもう少し笑いのエッセンスが多くてもよかったように思う。
実機を使った撮影などANA全面協力でリアリティも十分で「はたらくおじさん」好きにはおすすめ!
ANA全面協力の本作がヒットし、JAL全面協力で同時期に公開された『フライングラビッツ』がこけたのは、今の2社の状況を暗示してたのかなぁ。
■ハッピーフライト
おすすめ度(3点満点):