アルティメット(2004/フランス)
近未来。パリ郊外の無法地帯バンリュー13地区を牛耳るギャングが時限式中性子爆弾を盗んだ。爆弾を追う潜入捜査専門のエリート捜査官ダミアンは、この地区で育ちドラッグ撲滅に奔走するが妹をギャングに拉致された青年レイトとチームを組むことになる。爆弾のタイムリミットは24時間。己の肉体のみを武器に2人の男がギャングに戦いを挑む…。この作品を観ようと思う人は間違いなくフリーランニングアクションが目当てのはず。フリーランニングの創始者であるダヴィッド・ベルが主演なのだから期待して当然だ。それなのに、肝心のフリーランニングアクションがイマイチで盛り上がらない。正しくは、すごいアクションシーンはあるにはあるが、全体的にボリュームが全然足りない。アクションシーンが少ないジャッキー・チェンの映画を観ているようなガッカリ感だ。ストーリー展開で面白くしようといろいろ頑張っているのは十分に伝わってくるのだが、メインとなるフリーランニングアクションのボリューム不足を補うほどの面白さはない。残念ながら、この内容だとYouTubeの映像集を観た方がよっぽどスゲーって思えるし、面白い。もっとその超絶テクニックを盛り込んで、あの「マッハ!」を超えるような作品にして欲しかった。続編「アルティメット2 マッスル・ネバー・ダイ」ではバキバキのアクションなってることを期待。特別な道具を使わずに自らの肉体だけで障害物を跳び越え、壁をよじ登り、跳び下りながら、効率的に移動する移動技術体系を「パルクール」という。そのパルクールに宙返りなどのアクロバット的なトリックを取り入れたものがフリーランニング。■アルティメットおすすめ度(3点満点):