海への誘い（うみへのいざない）

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ずっと晴れ予報だったのに、
前日になって天気予報は雨だという。
そして、寒い寒い真冬並みとの連発...。
行く前から海に入る気持ちを萎えさせた。

まだ暗い内の始発で鳥羽へと向かう。
アマモ種子シートの設置である。
今年初めて、小学校の子供たちにも作業を見せたいとのこと。
降りしきる雨に、見学中止も危ぶまれたが、
元気一杯の子供たちが港にやって来た。
いや、雨も降っていて、緊張しているせいか、
最初はおとなしかったのだ。

作業が始まり、遠巻きに見ていた子供たちも、
緊張がほぐれてくると、次々と作業に参加し始めた。
途端に顔が生き生きと輝いてくる。
子供たちの本領発揮だ！

嬉しかったのは、子供たち以上に、
先生たちも興味を持って参加してくれたことだ。
いや、先生たちの方が生き生きしていたかも知れない...(笑)。

町の子供たちと比べると、島の子供たちは当然海に触れる機会が多い。
いや、目の前に海が広がり、毎日海と隣り合わせだ。
親も漁師である。

でも、アマモの事を知るのは、
今日が初めてだと言う。

少子高齢化で全校生徒が二十人程しかいない。
島は島で様々な問題を抱えているが、
熱心な地域の方と熱心な先生に囲まれた子供たちは本当に幸せだ。

勢いで雨も寒さも吹き飛んだ。

そして、海へと向かった...。