テーマ:自然環境関係のお仕事(32)
カテゴリ:野外での豆知識
お盆や仕事やら、体調崩しやらでヘトヘトでした。
またまたお久しぶりです。
今年は沢登りの事故が多いですね。 ったく、何故に好き好んであんな面倒な登山方法をやるのか?私には分かりません……。いやですね、「行け!」って言われたら行きますよ。まぁ仕事だったら。でも、嫌いなんですよ。危ないから! 冬山登山の方がなんぼかマシに思ってしまいます。 嫌いだから言って=出来ないって事じゃないので、この夏の沢の事故について二、三言いたいです。
まず「自分の力量を知れ!」って。地図で渓谷になっている場所に行く前は、水の流量や流速を読みます。少しでも危険であれば、遠回りでも陸路を迂回するルートを探り、例えそのルートが藪漕ぎでもそっちにします。 この場合は、藪の中でも迷わない地図読みのテクニックが必要です。まぁ、現在はGPSで代用しても良いかもですね。 でも基本は地図です。 水の読み方と地図の読み方、撤退も含めた決断の勇気は絶対に必要です。 しょせん人間は自然には勝てないのですから、自然を甘く見んな!コラ!って感じですよ。自然に逆らわず、受け入れて受け流すのが絶対ですからね。 ヘリの墜落現場へ向かった方、大学のワンゲル出身となっていましたが、こんな基本的な事を覚えなかったのか!と思いました。 また、北海道でのおばちゃん沢登グループは、そもそも何も知っていないのでは?と疑問に思います。
今回の現役ワンゲル部(北海道)でも「何故河原でキャンプを張った?」ってのが疑問です。河原ではキャンプはしない!って基本中の基本。私は河原にあるキャンプ場ですらキャンプはしません。 もしも上流で増水したら一発で終わりですから。 確か数年前に河原でキャンプ中の人たちが、上流の増水で一気に流された事故がありました。 沢でも、カヌーでも途中のキャンプは一段高い場所でします。 もしも団体で私が沢かカヌーをしていてリーダーが、「河原キャンプ設営」を命じて、みんなが従ったら、私だけツェルト(簡易テント)で高台に行きます。アブネーですから。 大学の山岳部やらワンゲル部ってのは、まず基本的なところから徹底的に叩かれると思っていましたから、その知識の無さに愕然とします。
自然と接するうえでの基本的な部分をスカっと忘れているんですよね。 腹がたったのは大学側「計画書に問題は無い」とかヌカシテました。計画書以前の問題でしょうが!
私達の業界では撤退や迂回をする場合は、その選択を賞賛します。 昔は無理に「行け!」と言う担当者がいましたが、現場メンバーの間ではそれでも撤退した人が称えられます。 逆に無理を押して「行きます」と言う人は吊るされますよ。理由は「遭難したら最初の捜索隊は俺たちだ!迷惑かけるな!」と。
撤収やら迂回をするには、それ相当の判断力も求められます。私達はあくまでも「冒険家」では無い、自然関係のスペシャリストですから「絶対に死なない」事が最優先事項です。 経験と勘、データを瞬時に頭の中で計算して判断します。その際私はあまり迷いません。 あ、現在地の確認だけは頻繁に行います。 まぁ、書きだすとこの手の分野はキリが無くなりますのでこれ位に。 たのんます!山に入る時には計画の余裕と変更は当たり前で、基本的な自然との接し方を十分踏まえて行って下さい。 山で死人が出ると心が痛いです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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