stage11 吸血鬼の夜「あ、ちょっと!?タカアキ!!もうドタキャンなんて信じらんない。滅多に手に入らないチケットなのに~」ライブの会場にいる芳香。 一緒に来るはずだったタカアキが来れなくなってしまったようです。 ドタキャンの連絡を受けて怒っているうちにステージが始まってしまいます。 歌っているのはナイとメアです。 「先月で魔法戦隊出動回数は…30回を突破!!」 魔法部屋で弟妹を相手に会議をはじめている蒔人。 内容的には出動回数がどうとか自分らの戦力についての確認などです。 「こら、芳香!!芳香!!芳香!!」 「ただいま…」 そこに帰ってくる芳香。 「ただいまじゃない。今夜は大事な会議をやるって言っておいただろう。何してたんだ?」 蒔人は会議を忘れて外出していた芳香を咎めています。 「ライブに行って、それから…何だっけ?」 「サボっといて何だ、その態度は!!」 「え~、でも魔法110番がない時くらい遊びに行ってもいいでしょ」 芳香は全然堪えていないし、悪びれる様子もありません。 「通報がないからといってインフェルシアの襲撃が全然ないはずはないでござりますです」 「魔法戦隊は日頃の努力と鍛錬が大事なんだからな!!」 「たまになら遊んでもいいけど、芳香ちゃんはたまが多すぎ!!」 「そうだよ、俺だった部活終わってそっこー帰ってきたんだから!!」 「そ、そうやって魁ちゃんが頑張ってくれてるから芳香は遊びに行けるの。ありがと」 マンドラ坊やや麗や魁も一緒になって芳香に苦言を呈します。 「でも、ま、やれる奴がやれる時にやればいいってのは真実ではあるよな」 「そうだよね~。翼ちゃん、分かってる~」 翼のみ芳香を擁護します。 芳香に感謝されて、嬉しそうです。 そんな時、ウルザードがテレパシーで魁を呼び出します。 夜中ですが出動するマジレンジャー。 林の中なので街灯も無いのですが走って行ってます。 ゾビル達が出現したので変身しようとするマジレンジャーですが、芳香が妙にテンション高く、変身もしないでゾビル達を倒していきます。 ウルザードも芳香の戦い振りを誉め、次は全員でかかって来いとか言いながら巨大化。 マジレンジャー達も巨大化して戦い始めるも、攻撃が効きません。 「何て強さなんだ…」 「翼ちゃん、よろしく♪」 「マジンシュート!!」 芳香が変身したボールを翼が放り投げ、ウルザードに当てます。 ウルザードはバリキオンを呼び出してウルカイザーに変形。 マジレンジャー達もマジキングになろうとしますが、その時登ってきた朝日の光を見た芳香が気分が悪いとかで脱落。 ウルザードもマジレンジャーがまともに戦えないので帰ってしまいました。 「どうしたんだよ、芳姉」 「眩しい、やめてよ~」 「やる気あんのかよ、芳香姉ちゃん!!今度こそマジキングの強さ、思い知らせてやれるって思ったのに!!」 「やるべき時はちゃんとやれ!!」 「だって、目の前チカチカする…。気持ち悪い…」 芳香を連れて帰る一同は芳香にちゃんとやれとか言って怒っています。 そこに麗が芳香の為に水を買って戻って来ました。 芳香は麗の手に傷があるのを見つけて舐めてきます。 翼はその様子を見て芳香の異常の見当がついたようです。 「ウルザード。まさか、わざとあの魔法使い共を見逃してやってるのではないだろうな。一体何時になったら奴らを倒す!?臆したのか!?」 「逆だ。楽しんでいる」 「何?」 「奴らは強くなる。そして最も大きな力を発揮した時に俺が潰す!!この手でな」 敵の基地ではブランケンはウルザードがマジレンジャーを倒さないので怒っていました。 「やっと、気持ち悪いのなくなった~。♪腹ぺり~腹ぺり~お腹減った~」 夜になって元気になる芳香。 「なんか欲しいな。温かくて、トロ~リとしてて、いい匂いのする…あー!!そうそう、これこれ」 空腹なようです。 魔法部屋のテーブルに置いてあった赤い液体の入ったグラスを見つけて、これだとばかりに飲み始める芳香ですが、どうやら思っていたものと違っていたようで吐き出してしまいます。 「トマトジュースは置きに召さないようだな」 そう言いながら姿を現す翼。 どうやら翼が仕掛けたトラップだったようです。 芳香は翼を見るなり噛み付こうとしますが、翼は芳香にニンニクを見せてブロック。 「やっぱり、そうなのか」 「え?」 「芳姉は吸血鬼になっちまったんだ」 「えーー!?」 翼は芳香が吸血鬼になったと考え、それが的中していたようです。 「いきなり強くなった上に、太陽の光を嫌がってたろ?それとさっきの歯とニンニク嫌い。おまけにトマトジュースに騙されちゃって、完璧だよ」 「完璧って何?」 「完璧な吸血鬼って事」 「そんなのヤダー」 芳香は自分が吸血鬼になっていた自覚が無かったようです。 「皆を起こしてくる」 「そんなのヤダ!!ヤダ!!」 「皆に話して芳姉が元に戻るように協力してもらわないと駄目だろ?」 「駄目駄目駄目、秘密にして、ね?」 「何で秘密なんだ?」 「だって~会議忘れて遊びに行っちゃって、吸血鬼になっちゃって、おまけにウルザードも逃がしちゃったって知ったら…何て叱られるか分かんないだもん…。」 「『ふざけるな!!真面目にやれ!!』ってとこだろうな」 「そう、それ。分かってるじゃない、だからお願い。助けて、翼ちゃん。芳香を元に戻して」 「ったく、しょうがねえな」 「やったぁー!!頼りになる~」 翼に吸血鬼の件を他の皆に言わないように懇願してきます。 「とにかくさ、芳姉は吸血鬼に血を吸われたはずだよな」 「そうね~」 「心当たりはないのかよ!?何時どこで噛まれたとかさ」 「ん~」 「昨日帰ってきた時、ボーっとしてただろ?あれは?何があったわけ?」 「ライブだけど…ん、でも歌が始まっちゃった瞬間ボーっとなっちゃって、よく覚えてない」 「覚えてない?気になるな…。そのライブハウスに行ってみよう」 「うん」 そして昨日、芳香がライブに言った後の記憶が無いという話が気になったようで、芳香と翼は再度ライブに行く事に。 ライブにやってきた芳香と翼。 そしてナイとメアの歌が始まると「何だ、この歌…」と頭を押さえる翼。 芳香はボーっとしているようです。 「ナイ、メア!!」 「皆、夢心地。痺れてるわ~」 「痺れてるわ~」 そして正体を現し、ステージの奥には冥獣がいるらしく、ライブの観客達の首に管を刺して血を吸っているようです。 変身して難を逃れた翼は芳香を守りながらステージに上がり、冥獣とちょっと交戦。 「お前達が歌で皆の正気を失させていたんだな」 「「あったり~!!」」 「そして、その冥獣に血を吸わせて吸血鬼にした」 「またまた当たり。でもそれだけじゃないのよ」 「どういう意味だ!?何を企んでいる!?」 「血を吸われて、時間が経って100%吸血鬼になったこいつらは朝日を浴びると灰になっちゃうのよ」 そしてナイとメアは血を吸われた観客が朝日を浴びると灰になる事を教えてくれます。 そして操られた観客は会場の外に出て行きます。 芳香は観客らを止めようとしますが失敗。 「無理無理、お前は何も出来ない。出来ることなんかな~んにも無い」 「なんにもな~い」 「だってお前が一番ばぁかなんだもん」 「ばぁかなんだもん」 「桃色の魔法使いちゃんは昨夜、何も気づかずに吸血鬼にされちゃいました~」 「されちゃいました~」 「芳姉、しっかりしろ!!」 「「役立たず~」」 「お邪魔虫~」 「消えちゃいな」 ナイとメアに揄された芳香はショックでへたり込んでしまいます。 「芳姉!!」 そこを冥獣が攻撃してきますが、翼が芳香を庇って負傷。 敵は彼らを捨て置いて会場を出て行ってしまいます。 「ま、待て!!」 「そんな怪我してるのに…」 「俺は奴らを追う。吸血鬼にされた人達を守らないと!!」 「どうして?どうしてそこまで…」 「母さんと約束したろ?正義の魔法使いになるって。インフェルシアと戦えるのは俺達兄弟しかいないんだ。だから俺はやるんだ!!」 「凄いよ、翼ちゃん。それに比べて私…何、中途半端なことしてたんだろ…。甘い気持ちでいた。芳香、やるよ!!」 「芳姉…」 「芳香、やるべき時にはやるんだから!!やるべき時にはやる人になる!!」 怪我を押して敵を追おうとする翼の意志に影響を受け、芳香も今までの行動を反省、やる気を見せます。 「芳香ちゃん、バージョンアップ!!」 その勇気に答えたとかで新しい呪文が与えられます。 「今の芳姉の決意が勇気だって認めてくれたってことか?」 「そっか、自分がやらなきゃいけないことを逃げないでちゃんとやる勇気だね」 「ま、他の人は普通にやってることだけどな」 新しい呪文は感覚を研ぎ澄ます呪文で、行使する事で冥獣の匂いを視覚化し、後を追うことが可能になります。 広い所に集められている人達。 そこに芳香と翼が到着、あと魁達も合流します。 連絡をとりながら来たのでしょう。 全員揃ったマジレンジャーは変身して、名乗ります。 管を伸ばしてマジレンジャー達を拘束する冥獣。 芳香が多分蜂に変身して拘束から脱出、マジスティックで他のメンバーに絡んでいる管を叩き切ります。 そして翼のマジスティックボーガンで怪物を怯ませ、全員で冥獣を取り囲んでスピンして、竜巻を発生させ攻撃。 冥獣は身の危険を感じたのか巨大化。 マジレンジャー達もマジキングになって、ファントムイリュージョンとキングカリバー魔法斬りで冥獣を倒します。 夜が明けて正気を取り戻す観客達。 吸血鬼状態から元に戻っているようです。 「やったな、芳姉」 「どうした、芳香?」 「日の光が…苦しい…」 「どうしてだよ…リーチをやっつけたのに、どうして芳姉が元に戻らねえんだ!?もう、吸血鬼じゃなくなったんじゃないのか!?」 しかし芳香は朝日を見て苦しみだしてしまい、異常が続いているようです。 そして起き上がって翼を攻撃しようとする芳香。 stage11完 次回に続きます |