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カテゴリ:犬の訓練
3日の記事でM・シュナウザーの子犬の事を書きましたが、今日は子犬の社会化について書いてみたいと思います。社会化とは簡単にいうと人間社会に適応させる事と思ってもらえば良いと思います。僕が最初のビーグルを飼い始めたころには社会化などという事は知りませんでしたし、犬のしつけや訓練の本にも書かれていなかったと記憶しています。犬の社会化は生後3週間から一斉に始まり生後13週までがピークです。この時期に色々な人に触ってもらったり、親犬や兄弟犬以外の犬や猫などの動物に合わせたり、様々な音や環境にさらす事はその後の子犬の性格形成に多いな影響を与えます。日本盲導犬協会(講習受講当時)の朴 善子さんによると生後0日から2ヵ月までが第1の社会化、飼い主が変わってから3ヶ月までを第2の社会化と言っていました。この第2の社会化の時期は丁度ワクチネーションの時期と重なるため、免疫が出来るまで外に出してはいけないというブリーダーや獣医師の言い付けを忠実に守ると大事な社会化の時期を逃してしまいます。しかもまずい事に動物には臨界期というのがあってその時期を逃すとそれ以降どんなに努力しても獲得できない物があるのです。人間では8歳までに全力疾走したことの無い子は走ることが出来なくなってしまうそうです。あくまでも僕個人の考え方ですが病気感染のリスクを差し引いても子犬の社会化はぜひやってもらいたいと思います。
ではどのようにしたら良いかというと、まずは子犬を自宅の周りの環境に慣らすのですが、地面を歩かせたり他犬との直接接触さえしなければ病気のリスクも低いですから、子犬を抱っこして近所を散歩しましょう。近所の大人しい犬をピックアップしておいて、最初は遠くからその犬を見せて子犬が大人しくいていたらおやつを一かけらあげましょう。そして徐々に距離を縮めていくようにします。とにかく洪水のように社会化をしてはいけません。段階を踏んで少しずつ行っていくのが社会化の鉄則です。間違っても恐怖のインプリントをさせないようにしましょう。将来起こりうる刺激を小さい内に経験させる事が目的なのです。触覚と視覚の両方から刺激を与えましょう。 昨年亡くなった牝のビーグルは生後35日で我が家に来ました。生後42日以前に親兄弟と離された場合、友好種族の認識や同属同士のコミュニケーション能力など大事な事を覚えずに来てしまいます。ワクチンを打ちに連れて行った獣医で「売る方も売る方だが買う方も買う方だ」と叱られました。コクシジウムに感染していた為に外にも出せず大事な第2の社会化期を逃してしまいました。社会化の失敗から他犬にも人にも悪く、特に犬に対しては自分より大きな犬にさえも向かって行ってしまう困った犬でした。これは長じても治る事はなく、今となっては笑い話ですが、数年前の正月に僕が目を離したすきに家の前を通りかかったラブラドールに襲い掛かって飼い主を捻挫させてしまって、飼い主を緊急医に連れて行ったり見舞い金を包んだりと散々な目に遭いました。 一方、サードの場合はこちらの都合で生後67日までブリーダーの元に置いてもらった。そこには様々な種類の犬が11頭も居てサードはこれらの犬たちと遊んでいたようである。この為かサードは犬同士のあいさつの仕方をちゃんとわきまえている。また、老人ホームに訪問活動にも行った事があってお年寄りに抱かれたりもしたらしい。家に来てからも7kg近くあったサードを抱っこして散歩をさせたものです。 ただし、生後90日を過ぎると社会化は出来ない訳ではなく2~3歳までに精神的成熟をします。その後の育て方によっては色々な刺激に対して過剰に反応する事は抑えられると思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.07.10 23:38:52
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