システムエンジニアの晴耕雨読

2015/06/07(日)09:51

エミール・ミシェル・シオラン「四つ裂き刑」(叢書・ウニベルシタス)

哲学・思想(155)

エミール・ミシェル・シオラン「四つ裂き刑」(叢書・ウニベルシタス) 訳 金井 裕 法政大学出版局 1986年刊 ≪何かいいたいことがあるから書くのではない。  何かをいいたいと思うからこそ書くのである。≫ ≪ヘロドトスを読んでいると、東方の百姓が語り、かつ<哲学している>のを  聞く思いがする。  -彼がスキタイ人の住む地方を旅したことも無駄ではなかったのである。≫ ≪書物は古い傷口を開き、さらには新しい傷をさえもたらすものでなければならない。    書物とは一箇の危険であるべきだ。≫ ≪毒人参が調合されているというのに、ソクラテスはフルート一曲の練習に    余念がなかった。  「今さらそんなことをしてどうなるというのかね」と尋ねられると、  「死ぬ前に この曲を覚えることになるさ」と彼は答えた。    ・・  私にとってこの答えは、死を目前にして、あるいは他のいなかる瞬間において  行使されようとも、認識へのあらゆる意志の唯一確実な正当化とみえるからである。≫

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