2016/11/17(木)23:49
ブレーズ・パスカル「パスカル パンセ抄」
【バーゲン本】パスカル パンセ抄 [ ブレーズ・パスカル ]
ブレーズ・パスカル「パスカル パンセ抄」
訳 鹿島茂
飛鳥新社
2012年刊
≪精神の疲労回復と快楽≫
ちょっと意外な処方箋でした。
≪疲労回復のため以外には、精神に休憩を取らせるべきではない。
また、疲労を回復させるといっても、それは適切なときに限られる。
タイミングのいいときに疲労回復をさせるべきで、それ以外はだめだ。
というのも、タイミングを外して疲労回復を命じると、逆に人を疲れさせる
ことがあるからだ。
また、タイミングを外して追い込みをかけると、
こんどは、疲労を決定的に回復させることになりかねない。
というのも、そうなったら最後、人は切れてしまって、すべてを投げだすからだ。≫
・・このタイミング、当人にとって見極めはとっても難しいです。
でも、マネージャがわかるか?というと、それもまた微妙です((+_+))
≪死について考えること≫
≪死というものは、そのことを考えずに、突然それを受けるほうが耐えやすいものである。
これに比べて、死について考えることは、たとえ死の危険がなかったとしても
はるかに耐えがたいものである。≫
≪考える葦≫
≪人間は一本の葦にすぎない。
自然の中でも最も弱いものの一つである。
しかし、それは考える葦なのだ。
人を押し潰すためには、全宇宙が武装する必要はない。
蒸気や一滴の水でさえ人間を殺すに足りる。
しかし、たとえ宇宙が人間を押し潰したとしても、人間は自然を殺す宇宙よりも気高いと言える。
なぜならば、人間は自分が死ぬことを、また宇宙のほうが自分よりも優位だということを
知っているからだ。宇宙はこうしたことを何も知らない。
だから、わたしたちの尊厳は、すべてこれ、考えることの中に存する。
わたしたちはその考えるというところから立ち上がらなければならないのであり、
わたしたちが満たす術(すべ)を知らない空間や時間から立ち上がるのではないのだ。
ゆえに、よく考えるよう努力しよう。ここに道徳の原理があるのだ。≫
<目次>
人間関係とコミュニケーション
人間の心理と錯覚
人間とは何か?わたしとは何か?
知ることと精神の働き
話すことと書くこと
原因と結果
職業と選択
自己愛と自我
褒められたい
幸福の追求〔ほか〕