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EXPERIMENTAL GARDEN

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2017.12.24
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カテゴリ:プロジェクト

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今回紹介するのはワイルドフラワー・メドーと呼ばれる現在注目を集めている野生的なプランティング・スタイルです。
写真を見てもらうとわかる通り草原のような見た目ですが、それもそのはずこのデザインは自然植生をもとにデザインされています。
スイスの高山植生やアメリカのプレーリー、アフリカや中国の人の手が届かないようなエリアに残っている自然景観をもとに、その組成を分析、種子の発芽率の実験などを通して都市部での実用化がされるようになりました。
イギリスのプランティング・デザイナーであるナイジェル・ダンネットはワイルドフラワー・メドーの第一人者として知られており、ロンドン・オリンピックパークを始め様々なプロジェクトを展開しています。
適用の仕方はとても簡単で、一年草を中心としたシードミックスを地表に蒔き、レーキで満遍なく広げてあとは放任です。

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見た目の自然な美しさもそうですが、利点としては維持管理がとても簡単で、年に2回切り戻しを行うだけです。
一度目の切り戻しは夏で、春咲きの植物群のピークが過ぎた時に行います。刈り戻しと言った方が適切かもしれませんが、全てをなぎ払い一旦更地に戻します。
そうすることで秋咲きの種に日光が当たるようになり、再び芽吹いて秋にまた花を咲かせます。そしてまた冬に刈り戻しを行います。
刈り戻した植物はその場にしばらく放置し種が地面に落ちるのを待った後、そこから取り去ります。
そうすることで土地が痩せていくので、ある一種類が他の植物を駆逐してしまうことはなくなり、全体のバランスを保つことができます。
多年草も用いられますが、ほとんどがこぼれ種で増える一年草や球根類で形成されているため、植え直しをする必要もほとんどありません。

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現在では様々なカラーコンビネーションや日照環境に合わせたシードミックスが開発されており、デザイン、用途ともに様々です。
見た目の美しさと維持管理のしやすさから行政からは得に好まれていて、道路の中央分離帯にワイルドフラワー・メドーを用いたり、公園の芝生を一部ワイルドフラワーに置き換えたりすることはよくあります。(芝生は頻繁に刈り取らなければならず燃料費、機材、人件費などがかさむ。)
また、一般家庭でも管理しづらい斜面や余った土地をワイルドフラワーに転換する人もいます。

P1000309

また、ワイルドフラワー・メドーは蝶や蜂などに好まれ生物の住処を提供し、都市部に自然を呼び戻すことができるので、子供達の自然学習の場にもなります。
今のところ日本の植生をもとにしたシードミックスは開発されていませんが、自然が豊かな場所に住まれている方や、登山やハイキングなどによく行かれる方は、そこにある植生を参考にして新たなスタイルを作り出すことができるかもしれません。


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最終更新日  2017.12.24 20:15:53
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