2175516 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

エタ-ナル・アイズ

エタ-ナル・アイズ

『Segakiyui's World』

有料『メールマガジン』について

下記内容で有料メールマガジンを発行しております。

毎週土曜日配信中(年末年始のぞく)、300円/月
但し、一ヶ月目は無料ですんでお試しいただければと思います。
TOPバナ-より「登録」「解除」ができます。
下記に見本がございます。

なお、このメールマガジンは、
配信システムとして「まぐまぐプレミアム」を利用しています。
購読申し込みには「まぐまぐプレミアム」会員登録(無料)が必要です。


『Segakiyui's World』(これはハッピーエンドにしかならない王道ラブストーリー 3)         
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
           『Segakiyui's World』
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 このたびはご購読ありがとうございます。
 『これはハッピーエンドにしかならない王道ラブストーリー 3』です。
 どうぞお楽しみ下さいませ。

*********************************
26.星宮(1)

 地下の広間からなだらかに降りる通路を、色艶の失せたガーダスは
のろのろと進む。側に人なら一人二人が通れるほどの隙間があったか
ら、一同はガーダスに付き添い、黙々と同じように道を辿った。
 老ガーダス、おそらくはそう呼んでいいのだろう。見上げるほど大
きな棒状の体は、進めば進むほど速度を落とし、体の表面をひんやり
と冷やしていく。
「…シャルン」
「…大丈夫、なのでしょう?」
 レダンの緊張の混じった声に、シャルンは微笑みながらガーダスに
指を伸ばした。
 あれほどのガーダスに囲まれ、竦むこともなく冷静に観察していた
レダンなのに、真隣のシャルンが指を伸ばして触れようとしただけで
怯えるとは奇妙なことだ。
 先頭のバラディオス、サリストア、続くルッカとガスト、レダンと
シャルンを挟んで殿を務めるミラルシアが、それとなくシャルンを見
遣ってくる。
 細い指がガーダスに触れると、一瞬相手が息を呑む気配がしたよう
で、シャルンは思わず立ち止まった。
「反応した…」
 ガストが呟く。
「シャルンに、というより、そいつに、だな?」
「ええ、そのようです」
 右手の甲に浮かび上がる水龍の紋章を眺めながら、シャルンはそっ
と掌を当てる。と、ガーダスの内側が少し温かくなったような気がし
た。促されるように、老ガーダスは歩みを始める。
「まるで…」
 シャルンは思わず口にした。
「何世代も前のお祖父様に触れているようです」
 身動きができなくなり、一歩進むのに昔の何倍、何十倍も時間がか
かる老人と一緒に歩くと、このような感覚だろうか。
「そうかも知れん」
 レダンが柔らかく同意した。
「彼らがどれぐらいの時間を生きているのかは知らぬが、少なくとも
俺達よりは長生きなんだろう」
「うんと昔から……ハイオルトに棲んでおられたのですよね」
 シャルンが話しかけると、再び立ち止まる。それからまたぼつぼつ
と歩みを始める。
「どこまで行くんだろう」
 ガストが前方を透かし見た。
「迷うことはなさそうだが」
 バラディオスが来た道を振り返る。長い、けれど一本道だ。
 三度老ガーダスは立ち止まり、シャルンの掌に促されるように、ま
たゆっくりと進み出す。
「……道が登り出したぞ」
「え?」
 レダンの声にサリストアが足元を見下ろした。
「確かに。それに、気をつけて。左右の溝が深くなってきた。この先
道幅が狭くなるかも」
 言われてシャルンも足元を見た。レダンと2人並んでガーダスに付
き添って歩けていたものが、通路が広がるのと同時に左右に溝が彫り
込まれ、1人がかろうじて側を歩ける幅になってきている。
「シャルン、前へ」
「え?」
「どうやら、このご老体は君の導きが必要らしい。掌を当ててやらな
いと進まなくなってきている。寄り添ってやりたまえ、今だけ俺は嫉
妬を収めるから」
「はい、陛下」
 むくれた声に微笑んだ。嫉妬しないと言いつつ、口調が既に拗ねて
いるのが可愛い。
 レダンに命じられて、シャルンはバルディオス、サリストア、ルッ
カと場所を入れ替わった。レダンを背中に感じながら、先頭に立って
歩き続ける。登りに変わった岩場は負担がかかる。よろけそうになっ
ては、レダンが背後から支えてくれた。
「陛下…」
「うん」
 シャルンが指摘するまでもなく、レダンは気づいていたようだ。暗
闇の通路が薄明るい光に満たされている。前方から差し込む淡い光、
それをガーダスも感じ取ったのだろう、シャルンを置き去る勢いで進
み始める。
「待って」
 思わずシャルンは呼びかけた。
「待って……待って、まだ行かないで…っ」
 出会って数時間、それも一度は襲ってくるかも知れないと感じた相
手なのに、こうやって掌を当てて暗闇を歩くうちに、ごくごく親しい
者と散歩するかのような気持ちになっていた。人ではないのに、つい
唇を突いたことばは、
「お祖父様、まだ私と共に…!」
「シャルン…っ!」  
                     つづく                                    
*********************************

ご愛読ありがとうございました。

これまでのお話は、アルファポリス・小説家になろう!に掲載しておりますが、
連載先行して『これはハッピーエンドにしかならない王道ラブストーリー 3』の始めから
楽天で『25.鉱虫』まで連載させて頂いております。
お楽しみ頂ければ幸いです。
また次回御会いできることを楽しみにしております。


『Segakiyui's World』は毎週土曜日発行です。
配信中止は「まぐまぐプレミアム」(http://premium.mag2.com/)から
お願いいたします。

 segakiyuiはただいま
 『エターナル・アイズ』で小説・ブログ展開中です。
 『エターナル・アイズ』http://plaza.rakuten.co.jp/segakiyui/

 なお有料メールマガジンでは小説展開中です。
 『Segakiyui's Fiction』(そして、別れの時)
 http://premium.mag2.com/mmf/P0/00/35/P0003529.html

 『Segakiyui's BL』(ドラゴン・イン・ナ・シティ)
 http://premium.mag2.com/mmf/P0/00/73/P0007318.html

 よろしければお立ち寄り下さいませ。

E-mail****yuiri*@yahoo.co.jp
URL*****http://plaza.rakuten.co.jp/segakiyui/
配信*****segakiyui


© Rakuten Group, Inc.
X