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2018.10.16
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 セレド皇宮に、異国からのリボンを仕入れたという商人がやってきたことがあった。

 入り乱れる様々な色の流れ、模様の乱舞、艶も織りも手触りも全部違う無数のリボン、商人の手から渡されたそれを、レアナとセアラがとっかえひっかえ試してみていた。

 レアナの栗色の髪にはクリーム色はよく映えた。セアラの髪には甘いピンクか、濃い鮮やかな青が映りが良かった。

 戸惑うユーノにも商人は当然のようにリボンを差し出した、どうぞ、お好きなものをお試し下さいませ、と。

 だが、ユーノの、手入れの不十分で乾燥したばしばしの焦茶の髪に、クリーム色は白々として骨のように見えた。甘いピンクはとってつけたようで、濃い鮮やかな青は繊細な織が跳ね返る髪をまとめられなかった。緑の鳥達をあしらった模様は髪に埋もれて野原の草をくっつけたのかという有様、紫は道具を縛る帯留めに思えたし、赤に至っては幾種類もあった赤のどれ一つとして、流した血を思い出さぬ色はなく……。

(きまり悪かった…な…)

 母の困惑、父の訝しげな顔、商人の仕方なさそうな愛想笑い、『なかなかお品が揃わなかったようでございますな、海の方に参りますと、多少は丈夫な紐も……おっと』。

(紐、ってのも、凄いよな…)

 髪を飾るよりも、ユーノの髪をどうしたら縛り上げられるかと、商人は途中からそればかり思っていたのだろう。

 どれほどいろいろなものを試しても似合わない自分、もちろん、商人の言うように品揃えを責めることもできるのだけど、だんだんそこに居るのが辛くて居たたまれなくなってきて。中座しようとしても、両親はせっかく来ておるのだし、そなたにも買ってやりたいのだと同意してくれなかった。

『何も欲しくないのか、そんなことはないだろう』『あちらのはどうです、もっと、ほら、あのリボンはどうかしら』

 その側で、レアナとセアラは何本も自分に似合いのものを見つけて、どれにしようかと迷っている最中、リボンが似合わないことが悪いわけではないはずなのに、竦む心は、どうして自分ばかりこんなに出来損ないなのだとそればかりで。

『ユーノ、せっかくなのだから、自分で選ぶことも考えなくては』『迷うなら、何本も買っていいのですよ』

 違うんだ。

 何も似合わない、それがわかるばっかりなんだ。

 どれを選んでも、どれだけ気に入ったリボンがあっても、それをつけた自分のみっともなさを、繰り返し鏡の中に見つけてしまう。自分だけではなく、両親や商人の、慰め顔や労りの口調に察してしまう、これではだめなのだ、と。

『かあ、さま』

 とっさに手近の一本を手に取った。真っ白で艶やかな織で、確かの上物には違いない、けれど味も素っ気も無い、それを。



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 今までの話はこちら







Last updated  2018.10.16 09:58:07
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